第十県

第十県（Kanton 10 / Županija 10 / Кантон 10）

第十県は、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属する県の一つです。県都はリヴノに置かれています。

呼称について

県の政府は「ヘルツェグ＝ボスナ県」という呼称を使用することがありますが、この名称はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時のクロアチア人勢力による国家「ヘルツェグ＝ボスナ・クロアチア人共和国」を示唆するものであり、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦裁判所によって違憲と判断されています。その理由として、県の領域がヘルツェゴビナ地方に及んでいない点が挙げられます。

一般的には、「第十県」という名称が用いられます。その他、「西ボスニア県」や「リヴノ県」といった呼称も使用されます。

基礎自治体

第十県は、以下の6つの基礎自治体で構成されています。

ドルヴァル（Drvar）
ボサンスコ・グラホヴォ（Bosansko Grahovo）
グラモチ（Glamoč）
クプレス（Kupres）
リヴノ（Livno）
トミスラヴグラード（Tomislavgrad）

人口構成

県内で最も多い民族はクロアチア人であり、次いでセルビア人が多くなっています。クプレス、リヴノ、トミスラヴグラードではクロアチア人が多数派を占める一方、ドルヴァル、ボサンスコ・グラホヴォ、グラモチではセルビア人が多数派です。

1991年の時点では115,726人が居住していましたが、2003年には83,701人となっています。2003年の民族別の内訳は以下の通りです。

クロアチア人：66,138人（79.0%）
セルビア人：10,377人（12.4%）
* ボシュニャク人：6,860人（8.2%）

地理

第十県の面積は5,020平方キロメートルです。県内には起伏に富んだ広大なカルスト地形が広がっており、独特の景観を形成しています。

クロアチアと国境を接しており、西ヘルツェゴビナ県、ウナ＝サナ県、中央ボスニア県、ヘルツェゴビナ・ネレトヴァ県と隣接しています。ボスニア・ヘルツェゴビナの西部、および、スルプスカ共和国とも隣接しています。西側には高い山々が連なり、ボスニア・ヘルツェゴビナとクロアチアの自然国境となっています。

リヴノは県の中心都市であり、最大の都市です。リヴノ平原のような広大な平原や、ブスコ湖、クプレス湖などの湖も存在します。クプレス周辺には森林と高い山があり、冬季にはスキー客が多く訪れます。

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