第四号型駆潜艇

第四号型駆潜艇について

第四号型駆潜艇は日本海軍が運用した艦級であり、この艦級は新たな駆潜艇の設計基準を打ち立てました。この艦級は、同型艦が9隻建造され、主に太平洋戦争中に南方進攻作戦や船団護衛に従事しました。戦争終結時には残存艦は2隻となり、艦艇の表舞台を終えました。

概要

昭和12年度の海軍補充計画に基づいて建造された第四号型駆潜艇は、第3号駆潜艇の改良版として位置づけられています。この艦級の特筆すべき点は、新たな設計が日本海軍駆潜艇の基本となったことです。戦争においては、全9隻が南方作戦に参加し、その後は主に船団護衛に従事しました。対戦末期には多くの艦が戦火にさらされ、わずか2隻が戦争終結時に残存していました。一方、艦艇類別等級では、第四号型は「第一号型」に分類されるため、厳密には「第四号型」が存在しないという面白い事情もあります。

計画と予算

この艦級の予算は、計画時において1隻あたり1,500,000円で決定され、その後の追加請求によって最終的には1,578,585円となりました。基本計画番号はK7で、第3号と共通点が多い設計ですが、要求事項に基づいて様々な改良が施されました。特に、基準排水量は280英トンで速力は20ノット、航続距離は2000カイリとされています。

艦型と設計

第四号型はより安定した艦の設計を求められ、艦橋を下方にシフトさせることで重心を低くし、復原性能を向上させる工夫が見られます。また、艦尾の構造を低く抑えることで、凌波性の向上も図られました。これらの改良は、軽荷状態でも安定した航行を可能にしました。

機関と艤装

主機は第3号型と共通の22号6型内火機関を使用し、出力は2600馬力を発揮しました。艤装面では、各種の電動機関や装備品を積極的に導入し、効率的な運用が求められました。錨や各種鋼索を装備し、操作性の向上にも寄与しています。

兵装

兵装に関しては、40mm連装機銃を1基装備し、爆雷も36個搭載していました。また、艦内において水中聴音機が初めて装備されたことからも、対潜能力を高める工夫が見られます。1944年には追加の兵装が確認され、戦局の変化に対応した改良が施されていました。

同型艦

この艦級には第四号から第十二号までの艦が存在し、それぞれ特有の運命を辿りました。最後まで残存していた艦もある一方、多くは戦争の激化により沈没や除籍に至りました。

総じて、第四号型駆潜艇は日本海軍駆潜艇の進化の一端を担った重要な艦級であり、その設計や装備、戦闘の歴史は日本海軍における艦艇運用において重要な教訓を提供しています。

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