第四高等学校 (旧制)

旧制第四高等学校（四高）

旧制第四高等学校（きゅうせいだいしこうとうがっこう）は1887年に金沢市に設立された官立の高等学校であり、略称は四高（しこう）と呼ばれます。この学校は、当時の日本における教育制度の一環として設立され、数多くの著名な卒業生を輩出しました。

沿革

旧制第四高等学校の起源は、1886年に施行された帝国大学令にさかのぼります。この法律に基づき、日本の各地域に高等中学校が設けられることになり、第四区である新潟、富山、石川、福井の四県を管轄する学校としての設立が決定されました。金沢の石川県専門学校がその母体となり、開校に際しては旧藩主である前田家からの寄付がありました。

設立当初は高等中学校として始まりましたが、1894年には大学予科と医学部が設置され、旧制高等学校に改編されました。内部には文科、理科、医学部があり、特に柔道部や漕艇部などのスポーツ分野での成績も評価されています。

しかし、1950年の学制改革により、旧制第四高等学校は閉校することとなり、約12,000人の卒業生を持つことになりました。その後、新制金沢大学に統合され、同大学の法文学部や理学部の前身となりました。

学生生活

四高の校風には「超然時習」「至誠自治」があり、学生は自立した思考を持ち、誠実さを重んじることが奨励されていました。学生たちは喫茶店などで活発に議論を行い、文学や哲学に対する関心が高まっていました。喫茶店は、彼らの「青春道場」としての役割を果たしていたのです。

また、学生寮の伝統行事として、夜間の勉強にロウソクを利用する「蝋勉」が行われたり、学生服を着てスポーツをする運動会が開催されるなど、特徴的な文化がありました。他校との対抗戦、特に柔道や漕艇においては全国的に有名であり、柔道観に身を捧げた作家・井上靖は、その体験を自らの作品でも述べています。

シンボルと校章

四高の校章は四つの稜線を持つ北極星を象徴としてし、これは不変の精神を表現しています。校歌が制定されていましたが、公式な場では歌われることは殆どなく、応援歌が代わりに使われることが多かったようです。寮歌についても多くの作品が残っており、学生生活の重要な一部を形成しています。

学校の遺産

四高の建物は、現在もいくつかの文化施設として使用されており、重要文化財にも指定されています。特に、四高記念文化交流館としての役割は、学校の歴史を後世に伝える重要な場となっています。卒業生の多くがさまざまな分野で活躍していることから、旧制第四高等学校は日本の教育史において特に重要な役割を果たしてきた学校であると言えます。

まとめ

旧制第四高等学校は、日本の高等教育の発展と共に歩んできた歴史的な機関です。その教育理念と独自の学生文化は、今なお多くの人々に影響を及ぼしています。卒業生たちの中には、政治、経済、学術など各界で名を馳せた多くの人物がおり、その存在は今後も不滅であり続けるでしょう。

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