第百五十四号哨戒特務艇

第百五十四号哨戒特務艇について

第百五十四号哨戒特務艇（だいひゃくごじゅうよんごうしょうかいとくむてい）は、第二次世界大戦中に計画された日本海軍の特務艇であり、特に第一号型哨戒特務艇の中で61番目にあたります。この艇は当初、戦後に掃海艦としての運用が計画されましたが、悲劇的にも掃海作業中に触雷して沈没した運命を辿りました。

艦歴

第百五十四号哨戒特務艇は、マル戦計画に基づいて建造され、艦番号は2121号艦型の154番艇として指定されました。艦名は1944年11月5日に正式に命名され、当初は佐世保鎮守府に本籍が置かれる予定でした。進水は1945年5月15日に福島造船鉄工所で行われ、船体の概成に伴い、6月20日には呉海軍工廠に引き渡されました。しかし、終戦を迎えるにあたって本艇は未成の状態でした。

戦後の1945年8月17日に工事が中止されましたが、その後復員庁の掃海艦に編入されることとなりました。艦名は「哨特第百五十四号」となり、下関掃海部に配属されました。1948年1月1日に復員庁が廃止されると、運輸省に移管され、翌5月1日には海上保安庁に編入されて掃海船MS-27となりました。

この艦は1949年5月23日に関門海峡の満珠島南東で掃海作業中に触雷し沈没しました。この事故で残念ながら4名が命を落としました。その後、9月27日に哨特第一五四号は解役されました。

参考文献について

本艇に関する記録は、海軍省や復員庁、運輸省などの公式文書に基づいています。また、戦後の船舶に関する詳しい情報は、さまざまな専門書や文献に記されています。特に、海上自衛隊が発行した『航路啓開史』や、海人社の『世界の艦船』において、日本海軍や海上保安庁に関する歴史的な資料が収められています。また、福井静夫の著書や、防衛研修所戦史室の戦史叢書も重要な参考資料となっています。

このように、私たちは第百五十四号哨戒特務艇の歴史を通じて、戦争の悲劇や、海上での安全確保の重要性を再確認することができます。特に掃海作業は、戦後の復興を支える重要な任務であったため、その意義は非常に大きいと言えるでしょう。

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