第1回行政主席通常選挙

第1回行政主席通常選挙について

1968年11月10日、琉球政府初の行政主席を直接選挙で選出する「第1回行政主席通常選挙」が実施されました。この選挙は、琉球の将来を左右する重要な出来事として、大きな注目を集めました。

選挙の背景

この選挙は、それまで行政主席が任命制であったものを、住民が直接選ぶという画期的なものでした。選挙は同日に行われた立法院議員選挙、そして西銘順治氏の行政主席選出馬に伴い実施された那覇市長選挙と合わせて「3大選挙」と呼ばれました。

選挙データ

公示日: 1968年10月21日
投票日: 1968年11月10日
選挙制度: 有権者による直接選挙
投票方法: 秘密投票、単記投票、1票制
選挙権: 満20歳以上の琉球住民
被選挙権: 満30歳以上の琉球住民
有権者数: 515,246人（男性：235,299人、女性：279,947人）

主な争点

この選挙の最大の争点は、近い将来に実現が見込まれていた本土復帰でした。各候補者は、それぞれ異なる復帰への考え方を主張しました。

西銘順治候補: 「本土との一体化」を掲げ、経済協力を重視した日米協調路線での段階的な復帰を訴えました。この主張は、当時の「イモはだし論争」に繋がったとされています。
屋良朝苗候補: 「即時無条件全面返還」を掲げ、早期の本土復帰を強く主張しました。
野底武彦候補: 復帰そのものに反対し、琉球の独立を訴えました。

選挙結果

選挙の結果、西銘順治氏が当選しました。しかし、この選挙では日米両政府による保守系候補である西銘氏への工作があったことが、後に外交文書によって明らかになっています。

日米両政府による工作

2010年12月22日に外務省が公開した外交文書によって、日米両政府が保守系の西銘候補を当選させるために動いていた事実が判明しました。この事実は、選挙の公平性に対する疑問を投げかけるとともに、当時の政治状況を深く理解するための重要な手がかりとなっています。

選挙の影響

第1回行政主席通常選挙は、琉球の未来を決定づける重要な選挙でした。この選挙の結果は、その後の沖縄の歴史に大きな影響を与えました。特に、本土復帰への道筋を決定づける上で重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

参考資料

屋良朝苗 編著『沖縄教職員会16年 : 祖国復帰・日本国民としての教育をめざして』労働旬報社、1968年9月30日。
琉球新報社編『戦後政治を生きて : 西銘順治日記』（琉球新報社、1998）

関連情報

行政主席
行政主席選挙法
中央選挙管理委員会 ([[琉球政府)]]

外部リンク

琉球政府初の公選主席選挙 - NHK放送史

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