第12代総選挙 (大韓民国)

第12代総選挙について

第12代総選挙は、1985年2月12日に韓国で実施されました。この選挙は第五共和国時代において国会議員を選出するためのもので、特に注目を浴びる結果となりました。韓国においては選挙の数え方が独特で、「第○代」と数えられ、選挙の名称も「総選挙」ではなく「総選」と略されることが一般的です。

概要

選挙は国会議員の任期満了に伴い行われました。全斗煥政権が推進した国民和合措置の結果、政治活動が解禁された新韓民主党が短期間で成立し、既存の民主韓国党を追い抜いて第一野党となりました。この選挙は、与党に対する不信感と国民の民主化の強い願望が現れた結果といえるでしょう。

基礎データ

• - 大統領: 全斗煥（民主正義党）
• - 改選議席数: 276議席
• - 地域区（中選挙区制）: 184議席
• - 全国区（比例代表制）: 92議席
• - 議員任期: 4年
• - 選挙制度: 中選挙区比例代表並立制（有権者は地域区の候補者のみに投票）
• - 有権者数: 23,987,830名

この選挙の投票日は1985年2月12日で、投票率は84.6%でした。総投票者数は20,286,672名、また有効票数は19,974,643票に達しました。

選挙結果と動向

選挙後の議席分配では、民主正義党（民正党）が地域区で第1党となり、安定した過半数を確保しました。一方で、新韓民主党（新民党）は特に大都市部で顕著な支持を受け、ソウルでの得票率40.7%は民正党の27%を大きく上回りました。新民党は、学生運動や政治に関心を持つ若い層の支持を得ることで躍進しました。

民主韓国党（民韓党）は、選挙後に所属議員の大量脱党が相次ぎ、議席数を3議席にまで減少させ、事実上の解体へと向かうこととなりました。このような状況下で、新民党は他党からの入党者を増やし、議席数を102名にまで増加させたことで、国会召集権を単独で保持するまでになりました。

政治環境の変化

新民党の躍進は韓国の政治環境に変化をもたらし、民正党内の穏健派が力を持ち始めました。さらには、新民党は大統領の直接選挙制復活を求めて「改憲署名運動」を展開し、この動きは6・29民主化宣言へとつながることになります。この状況は第五共和国の終焉を早める要因となりました。

結論

第12代総選挙は新韓民主党の登場と民主化の道を開く重要な出来事でした。国民の政治への関心の高まりが、新たな政治の風をもたらしたのです。選挙結果は韓国の民主主義の進展に寄与し、政治環境に根本的な変化をもたらしました。

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