第123独立親衛自動車化狙撃旅団 (ロシア陸軍)

クリメント・ヴォロシーロフ名称第123独立親衛自動車化狙撃旅団

クリメント・ヴォロシーロフ名称第123独立親衛自動車化狙撃旅団は、ロシア陸軍の重要な旅団の一つであり、特にドンバス地域における親ロシア派分離主義勢力の中でも最も兵力が大きく、強力な部隊として知られています。彼らはサマルカンド旅団とも呼ばれ、第3親衛諸兵科連合軍の指揮下にあります。

歴史的背景

ドンバス戦争

この旅団は、2014年11月1日に設立されました。設立当初はルガンスク民兵南東軍に属し、ザリャー大隊、ドン大隊およびフーリガン大隊のメンバーを基に構成されていました。この部隊は、占領下のウクライナ・ルハーンシク州において「第2独立自動車化狙撃旅団」と名乗り、戦争の火花が飛び散った地域で迅速に部隊を展開しました。彼らは2015年初頭に東部の最前線へ配備され、デバルツェボを占領するという成果を上げました。

旅団の顕著な功績として、2015年11月1日には自称ルガンスク政府から名誉称号「親衛隊」の授与を受け、翌年には「クリメント・ヴォロシーロフ」の名も授けられました。これらの称号は、戦争顕著な貢献を行った証です。

ロシアのウクライナ侵攻

北東部・ハルキウ戦線

2022年に急遽始まったロシアのウクライナ侵攻では、旅団はハルキウ州に展開され、攻勢をかけようとしましたが、フーリガン大隊の指揮官が戦死するなどの困難に直面し、その勢いは削がれました。

東部・セベロドネツク戦線

その後、旅団は再び活躍の場を見出し、特にルハーンシク州セヴェロドネツィクでの戦闘が注目されます。2022年5月には、ルビージュネを占領し、6月には数個の軍団とともに総攻撃を実施し、セヴェロドネツィクとリシチャンシクを制圧しました。

東部・バフムート戦線

しかし、同年7月にドネツィク州バフムート方面に再配置される際、彼らは他の部隊と共に反撃され、戦局は思い通りには運びませんでした。2022年12月には、ルガンスク人民共和国併合に伴い、名称が第123独立親衛自動車化狙撃旅団に改称され、正式にロシア陸軍へ編入されました。

兵力の変動と苦闘

2023年には、勇敢な指揮官がウクライナ軍のドローン攻撃で命を落とし、その影響で旅団は指導力を失う事態に陥ります。指揮官の死はロシア国内での英雄としての扱いを決めるほどのものでしたが、悲しいことに法令署名直前にその命を失ったのです。

2024年11月、彼らは再び大攻勢を試みましたが、戦術の不備から激しい反撃に遭い、大きな損失を被りました。この攻撃は多くの非難を受け、軍内部でも問題視されました。

編制の詳細

この旅団の編成は、ルガンスクにある旅団司令部の下、複数の自動車化狙撃大隊および戦車部隊で構成されています。主な部隊名には、ザリャー大隊、ドン大隊、フーリガン大隊が含まれ、さらに自走榴弾砲大隊が併設されています。

彼らは戦争の中で成長し、様々な戦局の変化に逐次対応してきたものの、兵力と戦術の限界を試され続けています。

もう一度検索