第14回ゴールデングローブ賞

第14回ゴールデングローブ賞

第14回ゴールデングローブ賞は、1956年に公開された傑出した映画作品を称えるために開催されました。授賞式および受賞結果の発表は1957年2月28日に行われ、その年の映画界における重要な出来事となりました。

主要作品賞

最も栄誉ある作品賞では、ドラマ部門の頂点に立ったのはマイケル・アンダーソン監督による壮大な冒険劇『八十日間世界一周』でした。この作品は、ジュール・ヴェルヌの古典小説を映画化したもので、国際的なキャストとロケ地が話題を呼びました。

一方、ミュージカル・コメディ部門の作品賞は、ウォルター・ラング監督のミュージカル映画『王様と私』が獲得しました。シャム王と英国人家庭教師の交流を描いたこの作品は、その音楽と演技が高く評価されました。

俳優部門

俳優たちの演技にも多くの栄誉が贈られました。

ドラマ部門の主演男優賞は、『炎の人ゴッホ』でオランダの画家ヴィンセント・ファン・ゴッホを熱演したカーク・ダグラスが受賞しました。主演女優賞は、『追想』に出演したイングリッド・バーグマンに贈られました。

ミュージカル・コメディ部門では、主演男優賞を『八十日間世界一周』のカンティンフラスが受賞。彼はメキシコ出身のコメディアンであり、そのユニークな演技が注目されました。主演女優賞には、『王様と私』でアナを演じたデボラ・カーが輝きました。

助演部門では、助演男優賞を『雨を降らす男』のアール・ホリマンが受賞。助演女優賞には、『悪い種子』のアイリーン・ヘッカートが選ばれました。

監督賞

優れた演出手腕が評価される監督賞は、『ベビイ・ドール』を手がけたエリア・カザンに授与されました。

新人賞

将来有望な新人俳優には、新人男優賞と新人女優賞がそれぞれ3名ずつに与えられました。また、外国語作品から登場した新星を対象とする賞では、男性部門でジャック・ベルジュラックが、女性部門でタイナ・エルグが受賞しています。

その他の賞

国際理解に貢献した作品に贈られる国際賞には、『戦場（いくさば）に咲いた星』（ダグラス・サーク監督）が選ばれました。この部門には、『友情ある説得』、『王様と私』、『八月十五夜の茶屋』といった作品もノミネートされていました。

映画界への長年の貢献を称えるセシル・B・デミル賞は、著名な映画監督であるマーヴィン・ルロイに贈られました。また、ハリウッド市民賞は、後にアメリカ合衆国大統領となる俳優のロナルド・レーガンが受賞しました。

特に注目されたのは、ファン投票によって選ばれるヘンリエッタ賞です。この年の「世界で最も愛された俳優」として、ジェームズ・ディーンとキム・ノヴァクが選ばれました。特にジェームズ・ディーンは前年に死去しており、改めてその人気の高さを示す結果となりました。

第14回ゴールデングローブ賞は、多岐にわたる部門で1956年の映画界を彩った作品と才能に光を当て、その栄誉を称える式典として歴史に名を刻みました。

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