第17SS装甲擲弾兵師団

第17SS装甲擲弾兵師団 ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン

この師団は、第二次世界大戦における武装親衛隊の重要な部隊の一つであり、1943年にフランスで編成されました。その名称は、15世紀のドイツの騎士ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンに由来しており、彼が戦闘中に右腕を失い、鉄の義手を用いて戦ったことから、師団のシンボルにも来ています。この師団は主に西部戦線で活躍し、多くの激しい戦闘に参加しました。

編成と訓練

第17SS装甲擲弾兵師団は、1943年10月、フランス・ポワチエで設立されました。編成は、訓練部隊や補充部隊、さらにはバルカン半島やルーマニアに住むドイツ系住民から徴兵され、基幹部隊が形成されました。設立当初、指揮官にSS中佐オットー・ビンゲが任命され、1944年1月にはSS少将ヴェルナー・オステンドルフがその役割を引き継ぎました。

しかし、1944年2月時点では車両の装備に乏しく、連合軍との接触に備えるためにフランス国内で装備を集めて、3月には戦闘部隊のほとんどが自動車化されました。6月1日には17000人を擁していましたが、戦車は一台も保有しておらず、訓練期間も短かったため、十分な準備が整っていませんでした。

ノルマンディー

1944年のD-Day以降、師団は連合国の侵攻に対して防衛の任務を受けました。6月11日、初めて連合国軍と遭遇し、アメリカ第101空挺師団との戦闘を行いました。激しい戦闘の結果、師団は大きな損害を受け、7月の初旬には8500人まで戦力が減少しました。

その後、コブラ作戦などの連合軍の大規模な攻撃に直面し、さらなる損失を被りました。8月にはモーテンへの反撃を試みましたが、成功には至らず、連合軍に包囲されることとなりました。師団は複数の小部隊に分かれ、ファレーズ包囲網からの脱出を試みましたが、重い損害を受け、その後メッツに移動することとなります。

メッツとザール

メッツに到着後、師団は新たな編成を受け、戦力の増強を図りました。しかし、その補充は遅れており、前線での戦闘は依然として厳しいものでした。9月にはアメリカ軍との接触が続き、応戦を余儀なくされますが、最終的にはザール地方に撤退し、メッツの防衛準備を進めることになります。

その後も激しい戦闘が続きますが、アメリカ軍による攻撃に押され、師団は撤退を余儀なくされます。1944年11月22日、アメリカ軍がメッツを解放し、師団は一時的に休養と再編成を行います。

ノルトヴィント作戦及び終戦

師団は1944年末に再編成され、1945年1月にはノルトヴィント作戦に参加。しかし、悪天候により攻撃は成功せず、多くの士官が解任されるなど、混乱が続きました。戦力を維持することが困難になった結果、1月末までアメリカ軍と接触を持ちながら撤退を続けます。

最終的には、ジークフリート線に配置され、1945年3月18日から撤退を始めました。4月には戦力が更に減少し、ニュルンベルクの防衛任務を担いながら、連合軍の圧力に屈し、5月7日にアメリカ軍に降伏しました。

戦争犯罪

戦後、この師団は一部の戦争犯罪に関与した疑いが取り沙汰されていますが、記録に残るのは主に戦闘部隊としての行動であり、警察的行動は少ないとされています。特に、ノルマンディー侵攻初期の事件については様々な議論がありますが、裁判にかけられた記録は存在していません。

作戦地域

• - 1943年10月 - 1944年11月：フランス（ノルマンディー、メッツ近郊）
• - 1944年11月 - 1945年5月：ドイツ

このように、ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン師団は、戦争の激動の中で数多くの戦闘を経験しましたが、その過程で厳しい運命を辿ることとなりました。

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