第2次西園寺内閣

第2次西園寺内閣の概要とその影響

第2次西園寺内閣は、1911年8月30日に立憲政友会の総裁である西園寺公望が第14代内閣総理大臣に任命されてから、1912年12月21日までの約16ヶ月にわたって日本の政権を担った内閣です。この期間、内閣はさまざまな政治課題に直面し、多くの歴史的な出来事が展開されました。

内閣の構成と人事

西園寺内閣は、当初から強い政治的基盤を持っていました。在職日数は480日で、前内閣を含めると通算で1,400日を超える長期にわたりました。国務大臣や内閣書記官長など、重要なポジションに有能な人材が配置され、内閣の安定性が図られました。

政治的背景と変遷

第2次西園寺内閣の成立背景には、前内閣の桂内閣との継続的な権力の引き継ぎがありました。桂内閣は藩閥を中心とした政権でしたが、衆議院における権力の掌握については立憲政友会の影響を受けていました。特に、政治的な権力争いにおいては、政友会と藩閥との対立が際立っており、幸徳事件の発覚により藩閥の責任が問われることとなりました。

このような背景を受け、政友会の実務を担当していた原敬は、桂首相に対して政権の譲渡を求めました。最終的に桂は退陣し、西園寺が新たな首相として任命されました。

主な政策と出来事

行財政改革

西園寺内閣は、日露戦争後の財政難を背景にした行財政改革を推進しようとしました。しかし、藩閥からの反発を受け、改革は秘密裏に進められていました。明治天皇の崩御を受け、改革は中断され、最終的に実現することはありませんでした。

選挙制度改革

選挙制度改革も重要な課題の一つでした。政友会に有利な小選挙区制への変更案が提起されましたが、藩閥の反対に遭い、法案は貴族院で否決されました。この結果、現行の大選挙区制のままで政友会が優位な状況が続きました。しかし、徐々に貴族院においても政友会支持の会派が形成され、勢力が拡大していきました。

軍部大臣現役武官制の影響

1912年には二個師団の増設問題が浮上し、これが内閣に波紋を広げました。陸軍閥との関係性が複雑化し、山縣有朋の動きにより政友会と内閣は圧力を受けることとなりました。結果として、上原勇作陸軍大臣が辞任し、その後の陸軍大臣候補が見つからず、内閣は12月5日に総辞職に至りました。

内閣の終焉とその後

その後、桂が復帰しますが、世間での藩閥打倒運動が激化し、政権の継続が難しくなります。このような状況のなかで、第3次桂内閣も崩壊しました。西園寺も政友会総裁の職を辞任し、政治のシーンにおける桂園時代は終焉を迎えました。

結論

この内閣の出来事は、日本の近代政治史において重要な転機の一つとなりました。藩閥と政友会の対立や、政治改革への挑戦は、後の日本に大きな影響を与えることとなります。政治的な権力構造の変化を象徴するこの内閣の動向は、現在に至るまでの政治の歩みにも繋がっているのです。

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