第202飛行隊 (航空自衛隊)

第202飛行隊

第202飛行隊は、かつて航空自衛隊に存在した戦闘機部隊であり、新田原基地に所属していました。F-15J/DJ戦闘機やT-4連絡機などを運用し、防空任務とパイロットの育成に重要な役割を果たしました。

概要

1964年3月31日、第202飛行隊はF-104J/DJ戦闘機を運用する部隊として、新田原基地の第5航空団隷下に新編されました。当時、F-104の機種転換訓練を担っていた第201飛行隊に続き、第202飛行隊は初の要撃飛行隊として、同年10月1日に対領空侵犯措置任務を付与され、常時警戒態勢であるアラート任務を開始しました。

1981年12月には「臨時F-15飛行隊」が編成され、1982年12月20日に第202飛行隊は一旦閉隊。翌12月21日には、F-15戦闘機の実働部隊として再編され、同時に「F-15機種転換操縦課程」が設けられました。これは、F-15のパイロットを育成するための教育課程であり、第202飛行隊がその役割を担うこととなりました。1984年7月16日からはF-15でのアラート任務も開始し、教育と要撃という二つの重要な任務を兼務する飛行隊として活動しました。

特に、第202飛行隊は複座型のDJを多く運用し、搭乗員の養成と整備員の育成に力を入れていました。これは、教育飛行隊としての特性を示すものです。

部隊マークは、F-104時代には航空団共通の「V」マークを使用していましたが、F-15への機種改編後、新田原基地近くの西都原古墳群にちなみ、武人埴輪のデザインに変更されました。埴輪は国防の象徴として、隊員たちにも親しまれ、基地内にはレプリカの埴輪が展示されるなど、マスコット的な存在となっていました。

しかし、航空自衛隊における戦闘機操縦者教育課程の変更に伴い、2000年10月3日、第202飛行隊は惜しまれつつ閉隊しました。その後、第202飛行隊が担っていた搭乗員養成と整備要員の育成任務は、新編された航空教育集団隷下の飛行教育航空隊である第23飛行隊に引き継がれることとなりました。

沿革

1964年3月31日：F-104J/DJ飛行隊として新田原基地の第5航空団隷下で部隊編成
10月1日：F-104による対領空侵犯措置任務付与
1970年11月16日：F-104射撃演習で優勝
1973年2月9日：無事故飛行10,000時間を達成
1975年11月17日：無事故飛行20,200時間を達成
1981年11月13日：総合戦技競技会F-104部門で優勝
12月17日：臨時F-15飛行隊を編成
1982年1月：F-15部隊運用試験を開始
4月1日：F-15機種転換操縦教育を開始
9月30日：第202飛行隊の対領空侵犯措置任務を解除
12月20日：第202飛行隊を閉隊
12月21日：臨時F-15飛行隊が第202飛行隊として再編（同時に「F-15機種転換操縦課程（操縦者教育）」を設置）。F-15部隊運用試験を終了
1983年1月24日：F-15機種転換操縦課程の正規教育を開始
1984年7月16日：F-15による対領空侵犯措置任務を付与
7月19日：航空自衛隊F-15による初の要撃任務を実施
11月5日：総合戦技競技会第1部門で優勝
1990年9月10日：航空総隊戦技競技会空対空射撃部門で優勝
1996年5月27日：航空総隊戦技競技会組織戦闘部門で優勝
2000年9月26日：第202飛行隊の飛行訓練任務を終了
10月3日：第202飛行隊を閉隊

歴代運用機

戦闘機
F-104J/DJ（1964年～1981年）
F-15J/DJ（1981年～2000年）
連絡機
T-33A（1964年～1992年）
T-4（1991年～2000年）

関連項目

* 第23飛行隊 - 第202飛行隊が行っていた搭乗員養成や整備要員の育成任務を引き継いだ部隊。

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