第23回日本レコード大賞

第23回日本レコード大賞

第23回日本レコード大賞は、1981年12月31日に帝国劇場で開催されました。この年の大賞には、寺尾聰の「ルビーの指環」が選ばれ、彼にとって初の受賞となりました。興味深いことに、この楽曲は大賞のほかに作曲賞、編曲賞、作詩賞も受賞し、一曲で四冠を達成した唯一の記録となっています。

この受賞は、オリコン年間シングルチャートで1位の楽曲が大賞を受賞するのが第20回以来3年ぶりであり、またTBSの『ザ・ベストテン』年間ベストテン1位の曲による大賞受賞は、1978年以降初の事例でした。寺尾には副賞としてトヨタ・クラウン4ドア・ハードトップが贈られました。

大賞の選考方法の変更

以前の審査方式が見直され、大賞の選考方法が新たに導入されました。これにより、レコード売上やTBSの音楽番組へのリクエストデータが30％、作詞・作曲・編曲・歌唱の審査員により評価された得点が40％、そして審査員投票が30％の配点比率で、最高得点を得た楽曲が大賞を獲得する仕組みになりました。また、新たにデビュー2年目の歌手を対象とした「ゴールデン・アイドル賞」も設けられました。この賞にノミネートされた歌手は大賞の選考から除外されることになりました。

受賞者と作品

受賞作品の中で特に注目されたのが、最優秀歌唱賞を受賞した岩崎宏美の「すみれ色の涙」です。最優秀新人賞は近藤真彦の「ギンギラギンにさりげなく」が受賞し、新たな才能が評価されました。金賞には、川中美幸の「あなたひとすじ」、森進一の「命あたえて」など、名だたるアーティストの作品が選ばれ、特に森進一は前身の歌唱賞を合わせると7年ぶりの受賞となりました。

以下に、主要な賞の受賞者一覧を示します。

• - 日本レコード大賞: 「ルビーの指環」 (歌: 寺尾聰、作詞: 松本隆、作曲: 寺尾聰、編曲: 井上鑑)
• - 最優秀歌唱賞: 「すみれ色の涙」 (歌: 岩崎宏美)
• - 最優秀新人賞: 近藤真彦 (曲: 「ギンギラギンにさりげなく」)
• - 金賞:

- 「あなたひとすじ」 (歌: 川中美幸)
- 「命あたえて」 (歌: 森進一)
- 「哀しみ本線日本海」 (歌: 森昌子)
- 「人生かくれんぼ」 (歌: 五木ひろし)
- 他多数

また、ゴールデン・アイドル賞には松田聖子、田原俊彦、河合奈保子、柏原よしえが選ばれ、各々の楽曲が評価されました。

視聴率と司会者

この大会の視聴率は35.3％に上昇し、非常に注目を集めました。総合司会は高橋圭三が担当し、彼にとっては13度目の司会となりました。司会進行には渡辺謙太郎と竹下景子が参加し、場を楽しく盛り上げました。審査会場からのリポートは松宮一彦が行い、視聴者にリアルタイムでの情報提供が行われました。

このように、日本レコード大賞の第23回は、多くの注目を集め、様々なアーティストが名誉を手にした一年となりました。音楽界における数々の素晴らしい瞬間が詰まったこのイベントは、今なお多くの人々の記憶に残っています。

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