第23歩兵師団 (アメリカ軍)

第23歩兵師団

第23歩兵師団（U.S.Army 23rd Infantry Division）は、アメリカ陸軍に所属する師団であり、その起源は第二次世界大戦にさかのぼります。1942年にニューカレドニア島で編成され、当初は「アメリカル師団」として知られていました。この名称は、アメリカとニューカレドニアを組み合わせたもので、南十字星を模した師団章が特徴です。

第二次世界大戦での活動

この師団は、1942年5月に南太平洋の戦局を考慮して結成されました。日本軍の侵攻が予測されていたため、アメリカ軍は迅速な対応を迫られました。結果、イリノイ州兵の第132歩兵連隊、ノースダコタ州兵の第164歩兵連隊、マサチューセッツ州兵の第182歩兵連隊が南太平洋地域にそれぞれ派遣されました。

南太平洋に集結した部隊は組織の士気を高める目的もあり、師団という名称が与えられた際、アレクサンダー・パッチ将軍が提案に耳を傾けて「アメリカル」の名が選定されたのです。この師団は、ガダルカナル島の戦いにおいて第1海兵師団の支援部隊として派遣され、日本軍との激しい戦闘を繰り広げました。また、部隊輸送の制限があったため、海兵隊と協力して戦術を学ぶ機会が増えました。

特に第164歩兵連隊は、1942年の10月に行われた戦闘において顕著な戦果を上げたことで知られています。彼らは日本陸軍の攻撃に対応し、重要な防衛線を維持しました。その後、師団はソロモン諸島北部に移動し、ブーゲンヴィル島での日本軍の反撃を撃退しました。

1945年にはセブ島やミンダナオ島へも派遣され、掃討作戦を遂行しました。

朝鮮戦争での再結成

第二次世界大戦後、この師団は一時解散されましたが、1954年12月1日に朝鮮戦争に向けて第23歩兵師団として再編成されました。しかし、この期間の任務は戦闘ではなく、パナマ運河地帯での駐留が主でした。1956年4月には再度解散されました。

ベトナム戦争での展開

その後、1967年10月にベトナムで再び結成されました。これは、タスクフォース・オレゴンという部隊を改編する形で行われました。当時の第23歩兵師団は、第11、第196、第198の3つの軽歩兵旅団を核にしており、戦闘任務には従事しましたが、戦闘経験不足から想定していた成果を上げることが難しかったです。特に、当時の第11軽歩兵旅団が関与したソンミ村虐殺事件は大きな社会問題となりました。

1971年から1972年にかけて、この部隊は徐々に帰国し解散に至りました。歴代の指揮官には後に有名となるノーマン・シュワルツコフやコリン・パウエルが任命されており、彼らもまたこの師団での勤務経験を持っていました。これにより、第23歩兵師団はアメリカ陸軍における歴史的な役割を持つ部隊となっています。

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