第27回グラミー賞

第27回グラミー賞：音楽史を彩った一夜

1985年2月26日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで第27回グラミー賞が開催されました。この年は、ティナ・ターナーが主要部門を制覇し、音楽史にその名を刻んだ年として記憶されています。

概要

この年のグラミー賞は、ティナ・ターナーが年間最優秀レコード賞を含む4部門を受賞し、まさに彼女の年となりました。彼女のパワフルな歌声とパフォーマンスは、世界中の音楽ファンを魅了し、その存在感を強く示しました。

オープニングとパフォーマンス

式典は、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースの「ザ・ハート・オブ・ロックンロール」で幕を開けました。その他にも、ケニー・ロギンスの「フットルース」、スティーヴィー・ワンダーの「心の愛」、シンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」、チャカ・カーンの「アイ・フィール・フォー・ユー」など、数々のヒット曲が披露されました。

特に注目を集めたのは、スティーヴィー・ワンダー、ハービー・ハンコック、トーマス・ドルビー、ハワード・ジョーンズによるシンセサイザーメドレーでした。そして、ティナ・ターナーが「愛の魔力」を、プリンス&ザ・レボリューションが「ベイビー・アイム・ア・スター」を披露し、会場を熱狂の渦に巻き込みました。

主要部門の受賞者

年間最優秀レコード賞

ダイアナ・ロスから発表された年間最優秀レコード賞は、ティナ・ターナーの「愛の魔力」が受賞しました。他のノミネートには、ブルース・スプリングスティーンの「ダンシン・イン・ザ・ダーク」、シンディ・ローパーの「ハイスクールはダンステリア」、シカゴの「忘れ得ぬ君に」、ヒューイ・ルイス・アンド・ザ・ニュースの「ザ・ハートオブロックンロール」がありました。

年間最優秀アルバム賞

ディオンヌ・ワーウィックとジョニ・ミッチェルから発表された年間最優秀アルバム賞は、ライオネル・リッチーの『オール・ナイト・ロング』が受賞しました。ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』、ティナ・ターナーの『プライヴェート・ダンサー』、プリンス＆ザ・レボリューションの『パープル・レイン』、シンディ・ローパーの『シーズ・ソー・アンユージュアル』もノミネートされていました。

年間最優秀楽曲賞

ランディ・ニューマンとキム・カーンズから発表された年間最優秀楽曲賞は、ティナ・ターナーの「愛の魔力」が受賞しました。作詞はグラハム・ライル、作曲はテリー・ブリテンが担当しました。

最優秀新人賞

レイ・デイヴィスとローリー・アンダーソンから発表された最優秀新人賞は、シンディ・ローパーが受賞しました。シーラ・E、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、コリー・ハート、ザ・ジャッズもノミネートされていました。

その他の主要な受賞

ポップ部門では、ティナ・ターナーが「愛の魔力」で最優秀女性ポップ・ボーカル・パフォーマンスを受賞。フィル・コリンズが「見つめて欲しい」で最優秀ポップ・ボーカル・パフォーマンス（男性）を受賞しました。

ロック部門では、ティナ・ターナーが「ベター・ビー・グッド・トゥ・ミー」で最優秀ロック・ボーカル・パフォーマンス（女性）を、ブルース・スプリングスティーンが「Dancing in the Dark」で最優秀ロック・ボーカル・パフォーマンス（男性）を受賞。プリンス＆ザ・レヴォリューションが「Purple Rain」で最優秀ロック・パフォーマンス（デュオもしくはグループ）を受賞しました。

R&B部門では、チャカ・カーンが「フィール・フォー・ユー」で最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス（女性）を受賞。ビリー・オーシャンが「Caribbean Queen」で最優秀R&Bボーカル・パフォーマンス（男性）を受賞しました。

多彩なジャンルの受賞

ジャズ、ゴスペル、レゲエ、ブルース、チルドレンズ、コメディなど、幅広いジャンルで優れた作品が評価されました。特に、レゲエ部門では、ブラック・ウフルが『アンセム』で最優秀レゲエ録音を受賞し、新設されたレゲエ部門の初代受賞者となりました。

ミュージック・ビデオの台頭

ミュージック・ビデオが新たな表現方法として注目を集め、デヴィッド・ボウイの「Jazzin' for Blue Jean」が最優秀ビデオ（短編）を受賞。マイケル・ジャクソンの『スリラー』のメイキングが最優秀ビデオ・アルバムを受賞しました。

特別功労賞

この年、特別功労賞はレナード・バーンスタインに贈られました。

第27回グラミー賞は、音楽の多様性と進化を象徴する一夜となりました。ティナ・ターナーの圧倒的な存在感、数々の名曲の誕生、そして新たな才能の登場。この年のグラミー賞は、音楽史に深く刻まれています。

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