第29回読売新聞社杯全日本選抜競輪

第29回読売新聞社杯全日本選抜競輪

2014年2月9日から12日にかけて、高松競輪場（香川県高松市）を舞台に、第29回読売新聞社杯全日本選抜競輪が開催されました。この大会は、競輪界における最も権威あるGIレースの一つとして知られています。

大雪による異例の初日順延

大会初日となる2月8日、高松には大雪が降り、バンクが凍結する事態となりました。これにより、初日の全レースが中止となり、翌9日に順延されるという異例の措置が取られました。さらに、全レースで2番車と3番車の選手が入れ替えられるという措置も実施されました。この影響で、最も売上が期待される最終日が平日の12日（水）となり、異例のスケジュールとなりました。全日本選抜競輪での順延は史上初であり、ビッグレース全体でも、2013年のオールスター[[競輪]]最終日以来の出来事でした。降雪によるビッグレースの順延は、過去に3度ありましたが、この大会で4度目となりました。

波乱の決勝戦

2月12日に行われた決勝戦は、非常にドラマチックな展開となりました。レースは脇本雄太選手が赤板過ぎから積極的に仕掛け、主導権を握りました。しかし、新田祐大選手がインコースを粘り、2センターで先頭を奪取。その後、松岡貴久選手が一旦浮いたところを、村上義弘選手が3番手に追い上げました。最終ホームでは、先頭から最後尾まで一本棒の状態となりました。

4コーナーで、番手を走っていた新田選手と平原康多選手が接触し、平原選手、神山雄一郎選手、浅井康太選手の3名が落車するというアクシデントが発生。この混乱の中、村上選手が空いたインコースを強襲し、見事4年ぶりのGI制覇を成し遂げました。2位入線した新田選手は、平原選手を押し上げたとして失格となり、結果的に落車を回避した松岡選手が2着、齋藤登志信選手が3着に繰り上がりました。

実況アナウンサーの交代制

高松競輪場では固定の実況アナウンサーがいないため、今大会では四国各地の競輪場から実況アナウンサーが交代で担当しました。初日と3日目は楠瀬淳二さん（高知競輪場）、2日目は茂村華奈さん（当時小松島[[競輪場]]）、最終日は田中克典さん（松山[[競輪場]]）が、それぞれ実況を担当しました。

その他特記事項

高松競輪場でのGI開催は、1991年のオールスター[[競輪]]以来、実に23年ぶりのことでした。また、順延があったにも関わらず、テレビ放送日の変更はなかったため、2月11日のテレビ中継では、決勝戦ではなく準決勝の最終レースが放送されました。この影響で、翌日の決勝戦はSPEEDチャンネルのみでの放送となりました。総売上目標は100億円でしたが、結果は98億8664万4800円となりました。初日の順延によって最終日が平日になったことが、売上に影響した可能性が指摘されています。

レースデータ

今大会では、近年の傾向と同様に、大ギアを使用する選手が多く見られました。決勝に進出した選手の中で、4.00未満のギアでレースに臨んだのは、脇本雄太選手（4日間通してギア倍数3.92）のみでした。決勝で落車した神山雄一郎選手は、前回大会でも同じ5番車で落車しており、2年連続で決勝戦の5番車で落車するという不運に見舞われました。

この大会は、大雪による順延、波乱の決勝戦、23年ぶりの高松GI開催など、数々の出来事が重なり、記憶に残る大会となりました。

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