浅井康太

浅井康太の軌跡：競輪界を彩るスター

浅井康太（あさい こうた）は、1984年6月22日生まれ、三重県桑名市出身の競輪選手です。日本[[競輪選手会]]三重支部に所属し、四日市競輪場をホームバンクとしています。師匠は佐久間重光。

若き日の挑戦

三重県立朝明高等学校時代には自転車部に所属し、柴崎俊光、柴崎淳兄弟と切磋琢磨しました。2004年に日本競輪学校（90期生）に入学。同期には北津留翼、新田祐大、飯野祐太といった強豪が名を連ねています。在校成績は15勝で5位でした。

プロとしてのスタート

2005年7月8日、松阪競輪場でデビューし2着。その9日後、富山競輪場で初勝利を飾りました。2008年にはヤンググランプリに出場し4着と、着実に力をつけていきました。

飛躍の時

2009年、浅井康太は大きな飛躍を遂げます。共同通信社杯春一番で決勝進出、高松宮記念杯競輪で3着、競輪祭でも決勝に進出しました。これらの活躍により、年間獲得賞金額が上位となり、2010年にはS級S班選手に選出されました。2011年には、UCIトラックワールドカップ北京大会のケイリンで3位、アジア自転車競技選手権大会ケイリンでは優勝と、国際舞台でもその実力を証明しました。

特別競輪初制覇と連覇

2011年7月、浅井は寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントで特別競輪初優勝を果たします。さらに同年9月にはオールスター競輪も制覇し、特別競輪2勝目を飾りました。2012年には全日本プロ選手権自転車競技大会のケイリンで優勝するものの、競輪ではGI決勝進出を逃しましたが、年間獲得賞金上位によりKEIRINグランプリ2012へ出場し3着に入りました。

グランプリ制覇

2013年、2014年と目立った成績を残せなかったものの、2015年にはKEIRINグランプリで悲願の初優勝を果たし、賞金王にも輝きました。2016年、2017年とグランプリ出場を果たし、2017年には2度目のグランプリ制覇を成し遂げ、再び賞金王となりました。

10億円突破と苦難

2018年、オールスター競輪ドリームレースで6着となり、通算取得賞金10億円を突破。競輪祭ではGI優勝を飾り、8年連続でKEIRINグランプリ出場を決めましたが、グランプリ連覇はなりませんでした。2019年は不調に苦しみ、グランプリ出場を逃し、S班からも陥落しました。しかし、2021年にはグランプリの補欠選手に選ばれるなど、復活の兆しを見せました。

500勝達成

2024年6月12日、高松宮記念杯競輪で通算500勝を達成。これはS級創設以降57人目の快挙であり、19年1か月11日という記録での達成でした。

浅井康太の競走スタイル

浅井康太は、捲りを主体とする選手で、卓越した瞬発力とカマシを得意としています。位置取りや踏み込みのタイミングも優れており、捲り切った際に番手選手が差しにくいほどのスタミナを誇ります。近年は若手の成長に伴い、後方を固める競走も増えていますが、前を回った際には先行策も見せ、ラインを重視した安定感のある走りで、中部地区を代表する選手として活躍しています。

競輪への情熱

浅井康太は、競走での自在性を持ちながらも、しなやかな動きを重視するため、かつてはプロテクターを装着しませんでした。しかし、2015年のオールスター競輪では、衝撃吸収性の高い超薄型シートを入れた特注アンダーウエアを着用しました。また、2015年からは「KEEP LEFT」のTシャツを販売し、その利益を社会福祉に貢献しようと活動しています。さらに、元阪神タイガースの赤星憲広氏の車椅子寄贈活動にも協力しています。中部地区の先輩である山田裕仁氏の紹介で競走牡馬を所有するなど、競輪以外の分野にも幅広く関わっています。2016年には、UCI承認トラックチーム「Dream Seeker」の発足メンバーにもなりました。

浅井康太の哲学

かつてS級S班に在籍していた頃、競走点や勝利にこだわり、先行する意識が薄れていた時期がありました。しかし、海老根恵太氏の言葉をきっかけに、デビュー当時から師匠に言われ続けていた「バック線だけを取れ」という教えを思い出し、先行主体に切り替えることで再び結果を出すことができました。この経験から、力の付け方とレースの組み立て方を理解し、先行の大切さを若い世代に伝えたいと考えるようになりました。

浅井康太は、その卓越した実力と人間性で、競輪界に大きな足跡を残し続けています。

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