第3航空軍 (日本軍)

第3航空軍の概要

第3航空軍（だいさんこうくうぐん）は、昭和17年から昭和20年にかけて活動した大日本帝国陸軍の一部隊である。この軍は南方方面での航空作戦を行うために編成され、重要な任務を果たした。

沿革

1942年6月27日に編成が発令され、その後、7月10日には戦闘序列の下令が行われ、7月23日には編成が完了した。この編成は南方戦域での作戦準備を進める目的であり、特にスマトラ島で確保されたパレンバン周辺の油田や製油所、ビルマ南部、タイ、仏印地区での防空任務を担った。最終的には南方軍の隷下で終戦を迎えることとなった。

組織構成

第3航空軍の司令官は数名の中将が歴任し、初代は菅原道大中将で、1942年7月9日から指揮を執った。続いて小畑英良中将、木下敏中将がそれぞれの時期で軍を指導した。また、参謀長には橋本秀信少将、寺田済一少将、塚田理喜智少将などが就任した。

最終的な司令部の構成には、以下の要員が含まれていた：

• - 高級参謀：長浜秀明大佐
• - 参謀：浜田要中佐（後方）、内藤進中佐（作戦）、田中堯少佐、宮崎正直少佐、伊井義正少佐
• - 高級副官：笠井久一大佐
• - 兵器部長：山田栄大佐
• - 経理部長：中村伊七主計大佐
• - 軍医部長：川名達雄軍医大佐
• - 法務部長：大塚操法務少将（兼任）

所属部隊

第3航空軍には多くの部隊が属しており、主要な部隊は以下の通りである：

• - 第5飛行師団：服部武士中将指揮下

- 第4飛行団
- 飛行第64戦隊
- 飛行第81戦隊

• - 第9飛行師団：白銀重二中将指揮下

- 飛行第87戦隊

• - 各種航空地区司令部や情報連隊、そして独立した教育飛行団も存在した。また、航空通信連隊や気象連隊、野戦航空修理廠、補給廠もその役割を果たした。

最終的な任務

この如き多様な構成を持ち、広範な地域にわたって活動した第3航空軍は、戦局が厳しさを増す中でその能力を発揮することを求められ続けた。航空戦や防空の任務を通じて、南方における連合国の進撃を抑える役割を担い、国の防衛に寄与した。戦局の悪化に伴い、部隊の再編成や指揮系統の変更が行われることも多く、様々な困難に直面しながら終戦を迎えることとなる。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年
• - 外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年
• - 木俣滋郎『陸軍航空隊全史』航空戦史シリーズ90、朝日ソノラマ、1987年
• - 防衛研修所戦史室『陸軍航空の軍備と運用（3）大東亜戦争終戦まで』朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1976年

関連項目

• - 陸軍飛行戦隊
• - 飛行師団
• - 航空総軍

もう一度検索