第33師団 (日本軍)とは？意味をやさしく解説

第33師団は、大日本帝国陸軍に所属した師団の一つで、通称号は「弓」でした。1939年2月に編成され、中国での治安維持活動から始まり、太平洋戦争ではビルマ攻略戦やインパール作戦といった主要な戦線に投入されました。

1939年 2月7日、日中戦争の戦線拡大に伴い、占領地の警備と治安維持を目的として、第33師団は宮城県仙台市で編成されました。編成後すぐに中国戦線に投入され、第11軍の指揮下で湖北省を拠点に治安作戦に従事しました。1941年4月には華北へ転用され、山西省に駐屯しました。

太平洋戦争が開戦すると、第33師団は第15軍に編入され、1942年1月からビルマ攻略戦に参加しました。バンコクから進軍を開始し、同年5月末までに第15軍によってビルマのほぼ全域が占領されました。この作戦は第一次アキャブ作戦とも呼ばれます。

1944年3月、第33師団は第15師団、第31師団とともに、インパール作戦に参加しました。この作戦は、連合軍に対する大規模な攻勢作戦でしたが、深刻な補給難や激しい抵抗により、日本軍は多大な損害を被りました。

インパール作戦後、第33師団は再編を余儀なくされ、終戦まで各地で戦闘を継続しました。詳細な戦況は記録が残っておらず、その全容を把握することは困難です。

第33師団は、歩兵連隊を中心に、砲兵連隊、工兵連隊、輜重兵連隊など、様々な兵科で構成されていました。戦況の変化に伴い、部隊の編成や配置が頻繁に変更されました。

甘粕重太郎中将：1939年3月9日 - 1941年1月20日
桜井省三中将：1941年1月20日 - 1943年3月11日
柳田元三中将：1943年3月11日 - 1944年5月16日
（心得）田中信男少将：1944年5月16日 - 6月27日
田中信男中将：1944年6月27日 - 終戦

外立岩治歩兵大佐：1939年3月9日 - 1939年8月1日
小堀金城砲兵大佐：1939年8月1日 - 1940年12月2日
村田孝生大佐：1940年12月2日 - 1943年6月10日
田中鉄次郎大佐：1943年6月10日 - 1944年9月9日
倉橋武雄大佐：1944年9月9日 - 終戦

歩兵第213連隊（水戸）：河原右丙大佐
歩兵第214連隊（宇都宮）：林正直大佐
歩兵第215連隊（高崎）：柄田節大佐
山砲兵第33連隊：龍福松中佐
工兵第33連隊：八木茂大佐
輜重兵第33連隊：松木熊吉中佐
第33師団通信隊：宮嶋清市少佐
第33師団兵器勤務隊：五十嵐善一郎大尉
第33師団衛生隊：久世清蔵中佐
第33師団第1野戦病院：阿部順一軍医少佐
第33師団第2野戦病院：土井茂軍医少佐
第33師団防疫給水部：石橋嘉久蔵軍医大尉
第33師団病馬廠：高橋威彦獣医少佐

師団長：柳田元三（中将）→田中信男（着任時は少将のため、師団長心得。中将昇進に伴い正式に着任する。）
歩兵団長：山本募（少将）
参謀長：田中鉄次郎（大佐）

歩兵第213連隊（右突進隊）（連隊長：温井親光（大佐））
歩兵第214連隊（中突進隊）（連隊長：作間喬宜（大佐））
歩兵第215連隊（左突進隊）（連隊長：笹原政彦（大佐））
山砲第33連隊（連隊長：福家政男（大佐））
工兵第33連隊（連隊長：八木茂（大佐））
輜重兵第33連隊（連隊長：松木熊吉（中佐））
通信隊
衛生隊
歩兵第151連隊（連隊長：橋本熊五郎（大佐））（原隊：第53師団（安））（配属部隊）
歩兵第67連隊第1大隊（大隊長：瀬古三郎（大尉））（原隊：第15師団）
歩兵第154連隊第2大隊（大隊長：岩崎勝治（大尉））（原隊：第54師団（兵））
独立速射砲第14大隊（大隊長：川道乙巳（中佐））
戦車第14連隊（上田信夫（大佐）→井瀬清助（大佐））
野砲兵第54連隊第1中隊（中隊長：星子友宏（大尉））
野戦重砲兵第3連隊（連隊長：光井一雄（大佐））
野戦重砲兵第18連隊（連隊長：真山勝（大佐））
独立工兵第4連隊（連隊長：田口音吉（中佐））

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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