第37回フェブラリーステークス

第37回フェブラリーステークス

2020年2月23日に東京競馬場で行われた第37回フェブラリーステークスは、注目のダートレースとして多くの競馬ファンが期待する中開催されました。本レースは、約11億円という高額賞金を誇るサウジカップの新設に影響され、例年とは異なる形で出走馬が組まれました。

開催前の状況

開催に先立ち、出走馬の動向が気になるところでした。特に、ダート路線のスター馬であるクリソベリルやゴールドドリームがサウジアラビアに招待され、ドバイワールドカップを見据えて遠征する形となりました。この影響で、ドバイに向かう予定だった馬たちが出走を取りやめるという事態が発生しました。また、ルヴァンスレーヴは故障で全休し、東海ステークスを勝利したエアアルマスも骨折により出走がかなわず、出走馬の層が薄く感じられました。

しかし、そんな中でも、タイムフライヤーやモズアスコットといった芝のGI競走で好成績を収めた馬たちが登場し、それぞれ根岸ステークスでの良い走りを見せてダート適性をアピール。これに加え、南関東公営競馬からも手強い馬たちが4頭出走し、多彩なメンバーが揃いました。

人気馬とオッズ

レース前日、単勝オッズで最も支持されたのはモズアスコットで、2.8倍のオッズでした。次いでインティが3.6倍、前年のマイルCS南部杯を勝ったサンライズノヴァが6.9倍、東京ダート1600mで無敗のアルクトスが8.0倍と続きました。これらの馬たちは、ファンから高い評価を受けていました。

レース展開

レースは晴天の下、良馬場で行われました。全馬が揃ったスタートを切り、ワイドファラオがハナを奪いました。その後ろにはアルクトスやブルドックボスが位置し、逃げを狙うインティも中団に付けました。モズアスコットはやや後方から様子を窺う形で進行し、残り800mを46秒4で通過。直線を迎えると、各馬が追い込みに入ります。

先行勢の脚色が衰える中で、モズアスコットが鋭い末脚を発揮し、そのままゴールへと駆け抜けました。ゴールタイムは1分35秒2で、見事に優勝を飾ります。2着には最低人気を背負いながらも後方から追い込んだケイティブレイブが、3着にはサンライズノヴァが入線しました。

優勝後のコメント

優勝したモズアスコットの騎手、クリストフ・ルメールは「スタートが良く、インティの後ろにつけてからは素晴らしい加速を見せてくれました」と振り返りました。矢作芳人調教師も「馬の状態も良く、条件が適したので自信がありました」と語り、今後はオーストラリアのドンカスターマイルを目指すことを明かしました。

一方、ケイティブレイブを騎乗した長岡禎仁騎手は「馬を信じて乗っていたが、本当に良い伸びを見せてくれた」と感謝の気持ちを述べました。このレースでは最低人気馬が3着以内に入るという歴史的な事例も生まれ、多くのドラマを生んだレースとなりました。

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