第39回IBAFワールドカップ日本代表

第39回IBAFワールドカップ 日本代表チーム

2011年10月に中米パナマで開催された「第39回IBAFワールドカップ」に臨んだ野球日本代表チームは、「第39回IBAFワールドカップ日本代表」として編成されました。この大会への出場は、日本野球界にとって国際舞台での重要な機会でしたが、チーム編成においては特別な状況が考慮されました。

チーム編成の背景

大会が10月上旬という時期に設定されていたため、選手選考には大きな制約がありました。プロ野球（NPB）はシーズン終盤であり、所属選手を代表チームに派遣することは当初から想定されていませんでした。また、大学野球も秋季リーグ戦の真っ只中であったため、各大学の主力選手を選出することも困難な状況でした。こうした背景から、代表チームは社会人野球連盟に登録する選手を主体とした構成とすることが決定されました。これは、この時期に国際大会へ対応するための現実的な選択でした。

代表候補合宿とメンバー選考

代表チームの編成にあたり、2011年7月14日から17日にかけて、大阪府にあるパナソニックベースボールスタジアムにて代表候補選手による合宿が実施されました。この合宿を経て最終的に選出されたメンバーは、社会人野球の選手が23名、大学野球の選手が1名という内訳になりました。このメンバー構成からも、社会人野球がチームの核となったことが分かります。

特筆すべきは、トヨタ自動車に所属していた的場寛一選手が代表メンバーに選出されたことです。的場選手はかつてNPBでのプレー経験があり、元NPB選手が野球日本代表に選ばれるのは、2003年の第35回大会における吉田浩選手（住友金属鹿島）に次いで、史上2例目となる出来事でした。

チームを率いた首脳陣

パナマでの戦いに挑んだ日本代表チームの指揮官は、当時47歳で元三菱重工長崎の監督を務めた小島啓民氏が務めました。コーチ陣としては、元日本生命監督で53歳の早瀬万豊氏、元大阪ガスコーチで51歳の西正文氏、そして元住友金属鹿島監督で45歳の中島彰一氏がチームを支えました。経験豊富な指導者たちが集結し、社会人中心のチームを率いました。

大会での戦績

日本代表は予選リーグに出場しました。大会では以下の成績を収めました。

10月3日：カナダ 3 - 1 日本 （●）
10月4日：オランダ 5 - 2 日本 （●）
10月5日：アメリカ合衆国 7 - 3 日本 （●）
10月6日：パナマ 6 - 2 日本 （●）
10月7日：日本 3 - 1 チャイニーズタイペイ （○）
10月8日：プエルトリコ 6 - 0 日本 （●）
* 10月9日：日本 9 - 4 ギリシャ （○）

予選リーグ全7試合を終えて、日本代表は2勝5敗という結果に終わりました。これにより、予選リーグでの敗退が確定し、決勝トーナメントへの進出は叶いませんでした。

このチームは、国際大会が国内主要リーグの活動時期と重なる場合に、いかに代表チームを編成するかという課題の中で組織されました。社会人野球の精鋭たちと少数の大学生で構成されたチームは、世界の強豪を相手に奮闘しましたが、厳しい結果となりました。

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