第4期順位戦

第4期順位戦と第9期名人戦

この記述では、1950年度に実施された将棋の公式棋戦である「第4期順位戦」と「第9期名人戦」について解説します。順位戦は、その年度の最高峰タイトルである「名人戦」の挑戦者を選出するための重要な予選棋戦です。第4期順位戦は1949年6月から1950年3月にかけて行われ、それに続く形で第9期名人戦七番勝負が1950年3月21日から6月13日まで開催されました。両棋戦は密接に関連しているため、まとめて扱います。

第9期名人戦七番勝負

第9期名人戦では、前年度の名人位保持者である木村義雄名人に、第4期順位戦を勝ち抜いた大山康晴八段が挑戦しました。両者は七番勝負形式で名人位をかけて激闘を繰り広げました。結果は、木村名人が4勝2敗で大山八段を下し、見事名人位を防衛しました。

ルール改定

第4期順位戦では、いくつかのルール変更が行われました。

A級: 本来定員10名ですが、松田辰雄八段の病気による休場があったため、補充を行わず9名でリーグ戦を実施しました。この期のA級からは2名がB級へ降級となりました。名人挑戦者の選定方法は前期から変更ありませんでした。

B級: この期から定員制や個人の順位制が廃止されました。出場者は抽選によりそれぞれ8局のリーグ戦を行いました。B級からA級へ昇級できるのは3名でした。降級の規定はありませんでしたが、成績が2勝未満だった棋士は次期の順位戦に参加できないことになりました。

C級1組: 参加者は東西の2グループに分けられ、それぞれ8局のリーグ戦を行いました。ここからB級へ昇級できるのは3名で、東西各組の1位に加えて、両組の2位同士による決定戦の勝者が昇級権を獲得しました。B級と同様に、2勝未満の場合は次期休場となりました。

C級2組: こちらも東西の2グループに分かれてリーグ戦が行われました。東組は各8局、西組は各6局でした。C級1組へ昇級できるのは2名で、東西各組の1位が権利を得ました。C級1組以下と同様のルールが適用されましたが、次期休場の規定はありませんでした。

また、名人戦自体にも重要な変更がありました。これまでの名人戦は持ち時間が異なりましたが、この期からは両対局者の持ち時間がそれぞれ10時間となり、対局は2日制で行われるようになりました。

第4期順位戦 結果

各級のリーグ戦を経て、以下の棋士たちの挑戦や昇降級が決定しました。

名人挑戦者: A級リーグを1位で通過した大山康晴七段（※当時の段位）が、挑戦者決定戦を勝ち上がり、木村名人への挑戦権を獲得しました。

A級降級者: A級からは規定通り2名が降級しました。降級候補となった大野源一八段、五十嵐豊一八段、原田泰夫八段の3名による決定戦の結果、2敗となった原田泰夫八段の降級が決まりました。

B級昇級者: 3名の昇級枠を巡り、板谷四郎七段、南口繁一七段、小堀清一七段が同率となりました。3名による決定戦の結果、板谷七段が2勝0敗、南口七段が1勝1敗、小堀七段が0勝2敗となり、板谷四郎七段と南口繁一七段の2名がA級への昇級を決めました。

C級1組昇級者: 規定通り3名がB級へ昇級しました。東西各組の1位に加え、両組の2位による決定戦が行われ、富沢伝助六段が勝利し、昇級を果たしました。

* C級2組昇級者: 規定通り2名がC級1組へ昇級しました。東西各組の1位が昇級となりました。

このように、第4期順位戦は名人戦の挑戦者を決定するとともに、各級での激しい昇降級争いが繰り広げられ、多くの棋士の明暗を分けた棋戦となりました。また、名人戦の対局規定にも変更があり、現代の将棋界に繋がるルール整備が進められた時期でもあります。

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