第4軍 (日本軍)

第4軍（大日本帝国陸軍）

第4軍は、大日本帝国陸軍において、日露戦争と日中戦争という二つの重要な時期に編成された軍です。それぞれの時代背景と任務に応じて、その役割と構成は異なっていました。

日露戦争における第4軍

日露戦争中の1904年（明治37年）6月24日に編成された第4軍は、戦後の1906年（明治39年）1月17日に解散しました。この時期の第4軍は、ロシア帝国との戦闘を遂行するために組織され、主に満州方面での作戦に従事しました。

主要人事（明治37年末時点）

司令官: 野津道貫 大将（1904年6月30日 - 1906年1月12日）
参謀長: 上原勇作 少将（1904年6月30日 - 1906年1月23日）

その他、立花小一郎 歩兵中佐、柴勝三郎 歩兵中佐など、多数の参謀、副官、部長が第4軍を支えました。

隷下部隊（明治37年末）

第5師団: 木越安綱 中将が師団長を務めました。
第10師団: 川村景明 中将が師団長を務めました。

明治38年末には、第6師団（大久保春野 中将）、第10師団（安東貞美 中将）、第16師団（山中信義 中将）などが隷下部隊となっていました。

支那事変における第4軍

支那事変（日中戦争）勃発後の1938年（昭和13年）7月15日、第4軍は再び編成され、関東軍の編組に入りました。満州北部の北安、さらに孫呉付近に位置し、ソ連に対する北方警備を主な任務としていました。1945年（昭和20年）8月9日のソ連軍侵攻を受け、交戦中にハルビンで終戦を迎えました。

歴代司令官

中島今朝吾 中将（陸士15期）：1938年7月15日 - 1939年8月1日
後宮淳 中将（陸士17期）：1939年8月1日 - 1940年9月28日
鷲津鈆平 中将（陸士18期）：1940年9月28日 - 1941年10月15日
横山勇 中将（陸士21期）：1941年10月15日 - 1942年12月21日
草場辰巳 中将（陸士20期）：1942年12月21日 - 1944年2月7日
西原貫治 中将（陸士23期）：1944年2月7日 - 1945年3月23日
上村幹男 中将（陸士24期）：1945年3月23日 - 終戦

歴代参謀長

牟田口廉也 少将（陸士22期）：1938年7月15日 - 1939年12月1日
吉積正雄 大佐（陸士26期）：1939年12月1日 - 1940年9月9日
渡辺洋 大佐/少将（陸士27期）：1940年9月9日 - 1941年7月7日、1941年12月1日 - 1942年8月1日
小林浅三郎 少将（陸士24期）：1941年7月7日 - 1941年12月1日
公平匡武 大佐（陸士31期）：1942年8月1日 - 1943年9月11日
萩三郎 少将（陸士29期）：1943年9月11日 - 1944年12月26日
大野武城 少将（陸士31期）：1944年12月26日 - 終戦

隷下部隊（終戦時）

第119師団
第123師団
第149師団
独立混成第80旅団：野村登亀江少将
独立混成第131旅団：宇部四雄少将
独立混成第135旅団：浜田十之助少将
* 独立混成第136旅団：土谷直二郎少将

第4軍は、二つの異なる時代において、それぞれ重要な役割を担いました。日露戦争では対ロシア戦、支那事変では北方警備という、それぞれの時代背景に応じた任務を遂行しました。その編成、人事、隷下部隊の変遷は、日本陸軍の歴史を物語る上で重要な一部です。

もう一度検索