上村幹男

上村幹男（うえむら みきお）は、1892年（明治25年）7月8日に生まれ、1946年（昭和21年）3月23日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将。

生い立ちと初期の軍歴

上村幹男は、山口県を本籍とする陸軍三等主計正上村清治郎の長男として誕生しました。広島陸軍地方幼年学校、中央幼年学校を経て、1912年（明治45年）5月に陸軍士官学校（24期）を卒業。同年12月には歩兵少尉に任官し、歩兵第11連隊に配属されました。その後、1921年（大正10年）11月には陸軍大学校（33期）を卒業しています。

軍人としてのキャリア

陸軍歩兵学校教官を務めた後、1926年（大正15年）9月から1928年（昭和3年）11月までドイツに駐在。帰国後は教育総監部付となり、近衛歩兵第4連隊大隊長を経て、1930年（昭和5年）12月から陸大専攻学生となりました。1931年（昭和6年）11月には陸大教官に就任し、その後、近衛師団参謀、台湾軍参謀、陸大教官、歩兵第76連隊長などを歴任しました。1938年（昭和13年）7月には陸軍少将に進級し、歩兵第5旅団長として日中戦争に出征、武漢作戦に参加しています。その後、台湾軍参謀長、第64独立歩兵団長を歴任し、1941年（昭和16年）8月には陸軍中将に進みました。

太平洋戦争とシベリア抑留

太平洋戦争開戦後の1941年12月29日、俘虜情報局長官に就任。1943年（昭和18年）3月11日には第57師団長に親補され、満州に駐屯しました。1945年（昭和20年）3月には第4軍司令官となり、ソ連軍との交戦中にハルビンで終戦を迎え、シベリアに抑留されました。1946年（昭和21年）3月、ハバロフスク収容所で自決。遺書には「国家の現状、在満居留民並家族の実情を思ふ時、上級将校として詢に責の軽かざるを痛感し慚愧に不堪、茲に深く御詫び申し上ぐ」と記されていました。

人物像

上村幹男は、軍人として卓越した能力を発揮し、数々の要職を歴任しました。また、大江志乃夫によれば、関東軍上級将校で満蒙居留民に詫びる遺書をしたためたのは彼一人であったとされています。このことからも、上村幹男の責任感の強さ、そして軍人としての誠実さがうかがえます。

栄典

1913年（大正2年）2月20日 - 正八位
1941年（昭和16年）9月15日 - 従四位
1943年（昭和18年）10月1日 - 正四位

親族

弟に陸軍大佐の上村栄人がいます。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

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