第42師団 (日本軍)

第42師団

第42師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、1943年（昭和18年）に本土防衛強化を目的として新設されました。ここでは、その沿革、概要、所属部隊について詳細に解説します。

沿革

1943年5月、軍令陸甲第45号により、第42師団を含む4つの師団の新設が決定しました。同年6月1日、留守第2師団と第62独立歩兵団を基幹として、仙台で編成されました。当初は東部軍に属していましたが、1944年3月16日に第27軍戦闘序列に編入され、中千島の守備を担当することになりました。

その後、1945年2月に第27軍が廃止されたため、第5方面軍の直轄部隊となり、北海道北部の稚内へ移動しました。稚内では、本土決戦に備えた準備を行うとともに、警備任務に従事しました。しかし、実際に戦闘を交えることなく終戦を迎えました。

師団概要

歴代師団長

寺倉正三 中将：1943年6月10日 - 1944年3月10日
佐野虎太 中将：1944年3月10日 - 終戦

参謀長

奥信夫 大佐：1943年6月10日 - 1943年9月9日
村田昌夫 大佐：1943年9月9日 - 終戦

最終所属部隊

第42師団は、以下の部隊を擁していました。

歩兵第129連隊（若松）：土持城大佐
歩兵第130連隊（仙台）：小川伊三雄大佐
歩兵第158連隊（山形）：浦野清治郎大佐
捜索第42連隊：佐藤国平中佐
野砲兵第12連隊：松川信正大佐（＊一度師団砲兵隊に縮小、昭和20年7月16日稚内にて連隊に再編成）
工兵第42連隊：佐々木胞次郎中佐
輜重兵第42連隊：田悟直治中佐
第42師団通信隊：金子善太郎少佐
第42師団兵器勤務隊：斎藤義雄少佐
第42師団第1野戦病院：藍沢太郎軍医大尉
第42師団第2野戦病院：桜田章軍医大尉
第42師団第3野戦病院：羽根田寛軍医大尉

第42師団編合

独立戦車第5中隊：隅倉秋寿少佐
独立戦車第6中隊：塚越善三郎大尉

まとめ

第42師団は、本土防衛のために編成され、中千島や稚内など、戦略的に重要な地域での守備を担当しました。実際の戦闘を経験することなく終戦を迎えたものの、その存在は当時の日本の防衛体制を語る上で重要な要素です。

参考文献

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
示村貞夫『旭川第七師団』総北海出版部、1984年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧

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