第5ラテラン公会議

第5ラテラン公会議の概要

第5ラテラン公会議（1512-1517）は、カトリック教会の重要な公会議の一つであり、ユリウス2世教皇の主導のもと、宗教改革を期待されて開催されました。しかし、その過程で有意義な議論が行われることはなく、結局教会の自己改革の機会を逃してしまう結果となりました。

公会議の導入

この公会議は、教皇が枢機卿たちに公会議の開催を約束したことから始まります。しかし、ユリウス2世はその開催を警戒し、なかなか実現に至りませんでした。そのため、フランス王ルイ12世をはじめとする反教皇派の枢機卿たちが1511年にピサで公会議を宣言しました。この会議には多くの司教や使節が集まりましたが、主張が対立し、実際の討議は遅れました。最終的に、ユリウス2世はローマのサン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂での公会議を1512年4月に宣言し、ピサの会議を無効にしました。

公会議の開催

5月3日、ラテラノ大聖堂に集まった教父たちの数は、枢機卿15名、教区司教56名など、全体で100名以上に達しました。公会議は数度の会期を経て行われ、ユリウス2世の死に伴い、後継者レオ10世に引き継がれました。1517年3月16日に第15総会が閉会することで、会議は正式に終わりを迎えます。この公会議では、以下のような重要な教令が採択されました。

1. 公益質屋への教会の監督強化
2. 教会の独立と司教の権威の再確認
3. 印刷物の出版には司教の認可が必要
4. ブールジュの国本勅諚の排斥とフランソワ1世とのコンコルダートの承認
5. オスマン帝国に対する戦争の正当性とキリスト教徒への特別税の課税

宗教改革へと至る道

この公会議では、教会改革が中心的な議題として扱われることはなく、結果的にカトリック教会は自己改革のチャンスを逃すことになりました。この公会議が終わった7ヵ月後、マルティン・ルターが95か条の論題を提示し、宗教改革運動を本格化させることになります。

地動説と天文学的議論

また、公会議中に春分点のずれに関する問題が取り上げられ、改暦についても議論が行われましたが、具体的な改暦作業には至りませんでした。その後の新暦（グレゴリオ暦）の制定はトリエント公会議後へと持ち越されます。このとき、フォッソンブローネ司教がニコラウス・コペルニクスに相談したことで、コペルニクスが後の著作『天球の回転について』を書くきっかけの一つになりました。

結論

第5ラテラン公会議は、その名の通り重要な公会議でしたが、当初の目的であった教会改革が実現されなかったため、カトリック教会にとって大きな過誤をもたらすことになります。この出来事は、宗教改革の歴史において重要な転機となりました。

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