第5回東京音楽祭

第5回東京[[音楽祭]]：音楽の祭典、1976年の記憶

1976年6月27日、帝国劇場で開催された第5回東京[[音楽祭]]は、世界的な音楽の祭典として、数々の記憶に残る瞬間を刻みました。世界25カ国から集まった266曲の中から選ばれた精鋭たちが、その年のグランプリを目指して競い合いました。

大会の概要

テープ審査を通過した海外13曲に加え、日本からはゴールデンカナリー賞受賞の3組、そして新人枠であるシルバーカナリー賞を受賞した田山雅充を含む、計17曲が世界大会に出場しました。当初のプレス発表では海外からの参加は14曲とされていましたが、最終的には13曲となりました。

司会とゲスト

司会は、せんだみつお（シルバーカナリー賞受賞者）、土居まさる、そして来栖あんなが務めました。スペシャルゲストとして、6人組のソウルトレインダンサー集団「サムシング・スペシャル」が登場し、圧巻のパフォーマンスを披露しました。彼らは後に「恋はゲット・レディー」でレコードデビューも果たし、日本でも発売されています。

審査員

審査員長は服部良一が務め、音楽評論家の蘆原英了、ミュージックラボ編集長の岡野弁、アレンジャーのネルソン・リドル、シャンソン歌手のジュリエット・グレコ、女優のデボラ・ラフィン、FIDOF名誉会長のアウグスト・アウゲロ、ダニーオドノヴァンエンタープライズ社長のダニー・オドノヴァン、MCAミュージック社長のサルヴァトーレ・T・キャンティアなど、各界の著名人が名を連ねました。

世界大会エントリー

トップバッターはルーファスが務め、出場曲はすべて日本で発売されました。

エピソード

ルーファスのボーカル、チャカ・カーンはインディアンスタイルで登場し、観客を魅了しました。彼女にとって、この音楽祭が初来日となりました。また、ナタリー・コールが見事グランプリを獲得し、涙ながらに「亡き父ナット・キング・コールに一番知らせたかった」と語りました。海外ではグラミー賞のようなイベントが多い中、生歌でグランプリが決まるという経験に、彼女は深い感動を覚えたようです。

白いハンカチーフを片手に歌うナタリー・コールのパフォーマンスは、リハーサルから完成度が高く、他の出演者を圧倒しました。また、ポインター・シスターズは、音楽祭当日のリハーサルで初めて歌唱し、振り付けも楽屋で考えたというエピソードを明かしています。

韓国のキム・サンヒは、「ジョイフル・アリラン」を本国バージョンとは異なるポップなアレンジで披露し、一部日本語でも歌唱しました。この時の歌唱シーンは、日本発売のシングルジャケットにも使用されています。

楽屋では、ナタリー・コールとチャカ・カーンが仲良く手を繋いでタバコを吸いながらくつろぐ姿が見られました。ナタリーは蓮柄の着物風ガウンを身にまとい、授賞式でも二人は抱擁を交わしていました。チャカ・カーンも日本の温かい人柄に触れ、帰国したくないと語ったほどでした。

スー・シフリンは来日中に岡崎友紀への楽曲提供を決め、日本のヒット曲を研究するために大量のレコードを持ち帰りました。

梓みちよはサイケ調のメイクで、エジプト舞踊のようなパフォーマンスを披露しました。

この大会以降、カネボウ化粧品のCMソングを歌った歌手が多数採用されるようになりました。アラン・シャンフォー、デイヴ、ジュリー・バタイユ、セルジオ・メンデス、SKYなどがその例です。

世界大会出場以外の国内大会参加アーティスト

国内新人大会（シルバーカナリー賞選出大会）では、レイラが「サマー・エンジェル」を歌いました。

国内大会（ゴールデンカナリー賞選出大会）では、キャンディーズが「夏が来た!」、野口五郎が「きらめき」を披露しました。ゲストとして布施明とグラス・ホッパーズも出演しました。

第5回東京[[音楽祭]]は、音楽を通じて国際交流を深め、数々のスターを生み出した、記憶に残るイベントとなりました。

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