第56回有馬記念

第56回有馬記念の概要

2011年12月25日に中山競馬場で開催された第56回有馬記念は、国内外の競馬ファンにとって特に注目されるレースでした。この年は国際競走としての枠組みが持続されているものの、過去5年間、外国馬の出走はありませんでした。特に同年に凱旋門賞を制したデインドリーム（ドイツ）が予備登録を行ったものの、出走を辞退したため、国内馬のみの競走となりました。

ファン投票と出走馬

ファン投票は11月19日から12月4日まで実施され、最終発表では15万5168件の有効票が集まりました。その結果、出走馬の中から上位10頭がファンの支持を受け優先出走権を得ましたが、その中には休養に入ったアパパネやウインバリアシオン、さらには左前脚の挫跖の影響で出走を辞退したペルーサも含まれていました。１２位のトゥザグローリーまでが優先出走権を獲得したのです。

レース施行前の状況

レース前には、マイネルキッツが最終追い切り後に鼻出血を発症し出走辞退となるなど、厳しい状況が続きました。施行直前には枠順が発表され、14頭の出走が確定しましたが、いずれも重賞勝ち馬であり、特に9頭がGI勝ちを成し遂げた顔ぶれは、非常に豪華でした。特に、前年のジャパンカップ勝者であるブエナビスタや三冠馬オルフェーヴルの出走が注目を集めました。

ブエナビスタは前走のジャパンカップで約1年ぶりの勝利を挙げ、引退レースに臨むことを発表していたため、その結果に大きな期待が寄せられました。三冠馬オルフェーヴルは初めて古馬と対戦する場面に挑むことも加わり、レースはさらなる盛り上がりを見せました。

レース展開と結果

レースは現地時間の15時25分に始まり、天候は晴天、馬場は良好でした。出遅れ馬は見られず、アーネストリーが先頭を奪って、続いてヴィクトワールピサやトーセンジョーダン、ブエナビスタといった上位人気馬が後を追いました。ペースは異例のスローペースとなり、最初の1000mを63.8秒で通過しました。

中盤では、オルフェーヴルが徐々に馬群の外を回り、直線に入った時にはアーネストリーが先頭をキープしていました。しかし、オルフェーヴルが抜け出すと、そのまま逃げ切り、GI4勝目を挙げました。一方、ブエナビスタは直線で伸びを欠き、7着という結果に終わりました。

記録と反響

このレースでは、オルフェーヴルが兄・ドリームジャーニーと共に史上初の兄弟制覇を達成する栄誉をつかみました。また、武豊騎手は23年連続での中央GI勝利が途絶えることになりました。競馬場には115,065人が来場し、売上は393億596万500円に達しました。

放送中継とエピソード

本レースの実況は主要なテレビ及びラジオ局で行われ、日本放送協会（NHK）やフジテレビ、ラジオNIKKEIがその役割を担いました。このレースの実況を担当していた三宅正治アナウンサーは、その後引退することを発表しており、このレースが公式な実況最後の場となりました。レースの後には、ブエナビスタの引退式も挙行され、感動的な一日を締めくくりました。

このように、第56回有馬記念は数多くのドラマと感動を呼び起こした素晴らしい競馬のイベントとなりました。

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