第69回安田記念

第69回安田記念

2019年の第69回安田記念は、東京競馬場で6月2日に実施されました。このレースでは、インディチャンプが見事に優勝し、その名を歴史に刻みました。

レース前の状況

馬場状態

レース施行前の馬場は概ね良好でしたが、芝コースの第3コーナーから第4コーナーの内側に少し傷みが見えました。2019年5月31日正午のデータによれば、Cコースの芝の草丈は、野芝で約10-12cm、洋芝で約14-18cmです。また、含水率は8時半時点で、ゴール前が12.9%、第4コーナーが13.0%でした。

出走馬

本レースの注目はアーモンドアイとダノンプレミアム、両者ともに4歳馬であり、それぞれが強力な競争相手となりました。アーモンドアイは前年に牝馬三冠を達成し、ジャパンカップを制した実績を誇る年度代表馬です。彼女は、ドバイターフを勝利した後に凱旋門賞への挑戦を諦め、安田記念を春の集大成として選びました。一方、ダノンプレミアムは、朝日杯フューチュリティステークスでは優勝していますが、その後しばらく休養を強いられました。復帰後は金鯱賞とマイラーズカップを連勝し、勢いを持って参戦しました。

出走馬のなかには、安田記念連覇を狙うモズアスコットや、GIでの実績があるアエロリットといった実力馬も参戦しました。最終的に、人気投票はアーモンドアイが1.7倍、ダノンプレミアムが3.2倍のオッズを得ていました。

レース展開

レースが始まると、ダノンプレミアムとステルヴィオがスタートで立ち遅れ、その後方での競馬を余儀なくされました。さらに、発走直後にロジクライが内側に斜行したため、ダノンプレミアム、アーモンドアイ、ペルシアンナイトの進路が狭まる形となりました。前に出たグァンチャーレがハナを主張しましたが、内側を行くアエロリットが先頭に立ちます。

アエロリットは前半800メートルを45秒8で通過し、優雅に逃げる展開となりました。彼女は第4コーナーでリードを保ちましたが、残り400メートルでの追い上げを受けます。外からインディチャンプが飛び出し、さらにその後ろからアーモンドアイも追いついてくると、残り200メートルのところでインディチャンプがアエロリットを捉え、最後は堂々のゴール。アーモンドアイは皇道を大外から追い込んだものの、3着に終わりました。

レース結果とエピソード

インディチャンプの勝ちタイムは1分30秒9で、2012年のストロングリターンが出したレースレコードを更新しました。彼のGI初制覇は、その他にジャック・ル・マロワ賞やブリーダーズカップ・マイルへの優先出走権ももたらしました。アーモンドアイにとってこのレースは、唯一の牡馬対決として記憶されることになりました。

福永祐一騎手は、この勝利で安田記念通算2勝目を達成し、指揮した音無秀孝調教師も初勝利を収めました。また、ノーザンファーム生産馬の勝利は、歴史的なものとなりました。レースを終えて、ダノンプレミアムはコース脇で異常なしとの発表がありましたが、最下位での入線はファンに少なからず驚きを与えました。

レースの影響

この競走は、盛況のうちに終了し、前年対比で売上が8.3%増え、東京競馬場の入場者数も大幅に増加しました。実況中のアナウンサーは、発走直後の混乱により、状況を見落とす場面もありましたが、レースの活気を伝えることに努めました。結果的に、この日の競馬は、多くのドラマと興奮を呼び起こすものとなり、競馬史における重要なイベントとなりました。

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