第72回菊花賞

第72回菊花賞について

2011年10月23日、京都競馬場で行われた第72回菊花賞は、オルフェーヴルが見事に優勝し、クラシック三冠を達成した記念すべきレースとなりました。オルフェーヴルは既に皐月賞、東京優駿で優勝しており、このレースを制することで牡馬クラシック三冠に名を刻むこととなりました。

レースの背景と状況

当年の競馬環境は、3月11日に起きた東日本大震災の影響を強く受けていました。この震災により、中山競馬場が使用できなくなり、皐月賞は東京競馬場で開催されることになりました。オルフェーヴルは皐月賞と東京優駿を連勝し、春の二冠を手にしました。その後の夏も順調に過ごし、トライアル競走である神戸新聞杯でも勝利を収め、三冠達成への期待が高まりました。

他の有力馬たちも注目されており、東京優駿と神戸新聞杯でオルフェーヴルに続けて2着だったウインバリアシオン、オルフェーヴルをきさらぎ賞で破ったトーセンラー、同じくセントライト記念での活躍を見せたフェイトフルウォー、ラジオNIKKEI賞の勝ち馬フレールジャックなどがいました。しかし、トライアルレースでは春の実績を持つ馬たちが上位に進出し、新たな上がり馬は現れませんでした。

トライアルレースの結果

1. 第59回神戸新聞杯 2011年9月25日（阪神芝外2400m）
2. 第65回セントライト記念 2011年9月18日（中山芝外2200m）

この2つのトライアルを経て出走した馬の中には、フランスに遠征したナカヤマナイトや、右前球節部の痛みで東京優駿を回避したダノンバラードはいませんでしたが、他の有力馬たちは揃ってレースに臨みました。

レース展開

レースは2011年10月23日に京都競馬場の芝外回り3000メートルで行われました。スタート時は全馬がほぼ横一線で出走し、大きな出遅れはありませんでした。スタート直後、サンビームが先頭を取るものの、1周目のスタンド前からフレールジャックが先頭に立ち、オルフェーヴルも良いスタートを切りますが、少し行きたがる様子を見せます。しかし、快調に馬群の中団に位置を落ち着けていました。

向こう正面に進むと、ロッカヴェラーノが先頭に立ち、その後オルフェーヴルが順調にポジションを上げます。直線に差し掛かる頃には早くも先頭に並びかけ、そこからは一気に後続を引き離しました。最終的には大きな差をつけての勝利で、オルフェーヴルは池添の手綱を抑える余裕を見せつつ、レコードタイムに0.1秒届かない3分2秒8で優勝を果たしました。

達成された記録

オルフェーヴルの勝利により、彼は1941年のセントライト、1964年のシンザン、1983年のミスターシービー、1984年のシンボリルドルフ、1994年のナリタブライアン、2005年のディープインパクトに次ぐ、史上7頭目の牡馬クラシック三冠馬となりました。また、池添謙一騎手は32歳3カ月で最年少の三冠ジョッキーになったのです。

さらに、池添騎手のこの成功により、彼は五大クラシック完全制覇を達成し、管理調教師の池江泰寿も父・池江泰郎の後を受けて、親子で三冠トレーナーとなりました。これにより、菊花賞は日本競馬界における大きな歴史の一幕を刻むレースとなりました。

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