第8回NHK紅白歌合戦

第8回NHK紅白歌合戦について

1957年の大晦日、東京宝塚劇場で開催された第8回NHK紅白歌合戦は、恒例の年度末を飾る音楽イベントとして数多くの視聴者を魅了しました。この年の紅白は、21時05分から23時30分まで生放送され、多くの歌手と特別なエピソードが交錯する記念すべきステージとなりました。

司会者と出演者

今回の司会者は、紅組を水の江瀧子が、白組を高橋圭三が務めました。また、総合司会にはNHKアナウンサーの石井鐘三郎が抜てきされ、ラジオとテレビ実況は北出清五郎が担当しました。水の江は4年ぶりの復帰を果たし、高橋とは長い間のコンビを組みました。特に水の江は、収録前に火傷を負っていたものの、番組の要望に応じて出演しました。当日は、舞台袖に椅子を持ち込んでパフォーマンスを行う場面も見られました。

出場歌手と審査員

出場した歌手の中には、初めて紅白に出場する歌手や、復帰を果たした歌手もいました。特に、鈴木正夫と三重子親子の同時出場は注目されました。一方で、紅組や白組からは前回出場したにもかかわらず、不選出となった歌手も多数存在し、紅組では赤坂小梅や荒井恵子などが名を連ねました。白組では、宇都美清や岡本敦郎などの名前がありました。

審査員には、吉川義雄をはじめ、多様な分野から名士が揃いました。特に、田中角栄郵政大臣や、大相撲の若乃花勝治、エッセイストの森田たまの存在が光ります。

特別な演奏とエピソード

演奏は東京放送管弦楽団とNHKオール・スターズが担当し、合唱は東京放送合唱団が行いました。応援ゲストには石原裕次郎や津川雅彦などが参加しました。特に石原は、出演歌手の雪村いづみの歌唱前に飛び入りで歌って、多くの注目を集めました。これが彼にとっての紅白舞台での唯一の出演となりました。

出場の緊張と記憶

島倉千代子は初出場で、非常に緊張していたため、出番前に帰ろうとするハプニングもありました。スタッフの説得によって舞台に立ち、結果的に後に35回の出場を果たすことになります。また、美空ひばりは3年ぶりの復帰で大トリを務め、三橋美智也とともに若手人気歌手の面目躍如たる演出を演出しました。

勝敗とその後

結果としては、紅組が7対4で勝利を収め、通算成績は四勝四敗となりました。ラジオとテレビの同時中継が行われましたが、残念ながら当時のテレビ映像は現存しないため、ラジオ中継の音声が唯一の資料となっています。使用されたマイクロホンはRCA-77DXで、当時の音楽イベントの様子を伺わせる重要な証拠です。

この第8回NHK紅白歌合戦は、後日、NHKラジオ第1で放送された特集番組内で、一部の歌手の歌声が紹介され、視聴者に再び思い出を呼び起こしました。

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