第8親衛諸兵科連合軍 (ロシア陸軍)

第8親衛諸兵科連合軍の概要

第8親衛諸兵科連合軍（だい8しんえいしょへいかれんごうぐん）は、ロシア陸軍に属する軍隊で、南部軍管区に配置されています。この部隊は、ドンバスの親ロシア派分離主義者の第1軍団および第2親衛軍団の指揮下にあるとされています。

歴史的背景

第二次世界大戦中の創設

この軍は1942年7月10日に設立され、当初は赤軍の第7予備軍を基にした第62軍として有名になりました。ドイツとの戦闘を経て、名誉ある「親衛隊」の称号を受け、その後第8親衛軍へ改称されました。戦後はドイツの占領軍として配置され、長い期間戦略的な役割を果たしました。

冷戦時代の動向

冷戦期間中の1968年2月にはレーニン勲章が授与され、その後も重要な軍事的存在としての地位を保持しました。

ソ連崩壊後の再編

ソビエト連邦の崩壊に伴い、1992年に新たに設立されたロシア陸軍に編入され、1993年には部隊が縮小され第8親衛軍団として改編されました。しかし、1994年から1998年にかけて第一次チェチェン紛争に参加し、その後解隊されました。2017年にはドンバス紛争に連動して再編成が行われ、現在の形に至っています。

現代の役割

ロシアのウクライナ侵攻における活動

2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻では、第8親衛諸兵科連合軍は積極的に関与し、特にドンバス地域において多くの激しい戦闘が行われました。部隊としての動きは非常に迅速で、多くの独立親衛自動車化狙撃旅団との連携を通じて攻撃を強化しています。

主要戦線の展開

東部のドネツィク州では特に、マリウポリとセヴェロドネツィクにおける進攻が重要な戦略目標となりました。2022年5月にはマリウポリを占領し、同年7月にはルハーンシク州全域を制圧しました。しかし、各地での戦闘は激しく、多くの指揮官が戦死するなどの困難な状況にあります。

各種戦闘の結果

ウクライナにおける作戦は多岐にわたり、南部ムィコラーイウ戦線やヘルソン戦線でも厳しい戦闘が繰り広げられました。特にヘルソンでは、ウクライナ軍の反撃によって自軍の司令部が壊滅する事態にも至りました。

2023年の戦況

2023年には再度の攻勢が行われ、特にドネツィク州内のマリンカやバフムート地区での戦闘が続いています。これらの地域はロシアにとって戦略的に重要であり、占領の維持が急務となっています。

編制と所属部隊

現在の編制

第8親衛諸兵科連合軍は、以下の部隊を含む編成がなされています。

• - 第133司令部大隊（ノヴォチェルカッスク）
• - 第1軍団（ドネツィク）
• - 第2親衛軍団（ルハーンシク）
• - 第20親衛自動車化狙撃師団（カムイシン）
• - 第150自動車化狙撃師団（ノヴォチェルカッスク）
• - その他、砲兵旅団、対空ミサイル旅団等

著名な出身者

部隊には多くの著名な軍人が出身しており、特にアントーン・ロパーチンやワシーリー・チュイコフといった名前はその歴史において重要な役割を果たしています。

全体として、第8親衛諸兵科連合軍は長い歴史を持つ部隊であり、現代においてもロシアの軍事戦略において重要な役割を担っています。

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