第9普通科連隊

第9普通科連隊について

第9普通科連隊は、かつて北海道旭川市の旭川駐屯地に駐屯していた、陸上自衛隊第2師団隷下の普通科連隊です。1995年に第2師団の改編に伴い、その歴史に幕を閉じました。しかし、その精強さは自衛隊内でも広く知られており、多くの隊員に語り継がれています。

部隊の概要

連隊長は1等陸佐が務め、連隊本部、本部管理中隊、4個の普通科中隊、そして重迫撃砲中隊で編成されていました。特に、第2師団の中でも最も精強な部隊として知られ、師団長直轄の部隊として、選りすぐりの隊員が配置されていました。部隊対抗の競技会や検閲では常にトップの成績を収め、北部方面隊でもトップレベルの実力を持っていたと評されています。

歴史

第9連隊時代

1951年5月1日、警察予備隊第3管区隊第9連隊として香川県善通寺駐屯地で編成されました。その後、陸上自衛隊の発足に伴い、1954年7月1日に第9普通科連隊に改称されました。

第9普通科連隊時代

1954年8月20日には、第9普通科連隊第14中隊と第11普通科連隊第14中隊を母体として、第102特車大隊が新編されました。同年9月には、第2大隊を基幹に第15普通科連隊が編成され、部隊の拡大が進みました。

1954年9月30日、第9普通科連隊（第2大隊欠）は東千歳駐屯地へ移駐、その後、10月30日には真駒内駐屯地へ移動しました。1955年11月10日、旭川駐屯地へ移駐し、この地が最後の駐屯地となりました。

1962年1月18日、第2管区隊の第2師団への改編に伴い、連隊は再編され、本部管理中隊、4個普通科中隊、重迫撃砲中隊で編成されました。1988年3月25日には、第2師団の近代化改編により自動車化されました。

そして、1995年3月27日、第9普通科連隊は廃止され、40年の歴史に幕を閉じました。最終の連隊長は中村宏一郎1等陸佐でした。

廃止時の部隊編成

第9普通科連隊本部
本部管理中隊「9普-本」
第1普通科中隊「9普-1」
第2普通科中隊「9普-2」
第3普通科中隊「9普-3」
第4普通科中隊「9普-4」
重迫撃砲中隊「9普-重」

連隊の廃止

第9普通科連隊の廃止は、北部方面隊における師団の改編が背景にありました。4個連隊編成から3個連隊編成への変更に伴い、どの連隊を廃止するかが議論されました。

当初、沿岸部警備を担う第3普通科連隊と第26普通科[[連隊]]は廃止対象から除外されました。内陸部に位置する第25普通科[[連隊]]と第9普通科連隊が候補となりましたが、師団一の精強さを誇る第9普通科連隊を廃止する必要はないとの声もありました。しかし、第25普通科[[連隊]]が駐屯する遠軽町が廃止に強く反対したことや、当時の政治家である鈴木宗男氏の圧力により、最終的には第9普通科連隊が廃止されることになりました。この決定は、当時としても非常に異例なものであったとされています。

また、旭川市が第9普通科連隊の戦技能力の高さを理由に、廃止反対運動を積極的に行わなかったことも、廃止につながった要因の一つとされています。

廃止直前の戦闘団検閲では、40キロ行軍後、わずか28時間足らずで全ての目標を達成するという、驚異的な結果を残しています。この記録は、後々まで語り継がれることとなりました。

廃止後の人員配置

第9普通科連隊の隊員は、他の部隊へ分散配置されました。

第3普通科連隊および第25普通科[[連隊]]：充足率向上のため、それぞれ約200名程度が配置
第26普通科[[連隊]]第4普通科中隊：留萌駐屯地から旭川駐屯地に移駐し、約200名程度が配置
旭川駐屯地業務隊：定年が近い上曹クラスを中心に約10名程度が配置
第2特科連隊射撃大隊、情報中隊等：観測要員を中心に約15名程度が配置
第2後方支援連隊：本部管理中隊、衛生小隊、輸送小隊の人員を中心に約20名程度が配置
* 第2施設大隊：施設作業小隊を中心に約30名程度が配置

後に一部の隊員は、新設された第52普通科連隊の要員にも組み込まれました。

第9連顕彰室

第9普通科連隊の輝かしい功績を称え、2014年7月には旭川駐屯地内に「9連顕彰室」が設けられました。見学を希望する場合は、旭川駐屯地業務隊へ問い合わせる必要があります。

第9普通科連隊は、その短い歴史の中で、多くの功績を残し、自衛隊の歴史にその名を刻みました。

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