第91回凱旋門賞

2012年凱旋門賞：オルフェーヴルの挑戦とソレミアの勝利

2012年10月7日、フランス・ロンシャン競馬場。芝2400メートルの凱旋門賞は、世界中から集まった精鋭たちによる壮絶なレースとなりました。日本からは前年のクラシック三冠馬、オルフェーヴルが、悲願の凱旋門賞制覇を目指して挑みました。

発走前の状況：期待と不安

レース発走時刻は現地時間15時25分（日本時間23時25分）。総賞金は400万ユーロ（1着賞金228万5600ユーロ）と、世界最高峰レースにふさわしい金額が懸けられていました。3歳以上の牡馬と牝馬が出走資格を持ち、当日の天候と馬場の状態は、レース結果に影響を与える重要な要素でした。

オルフェーヴルは、前年の菊花賞制覇後、凱旋門賞挑戦を表明。有馬記念制覇後も遠征の可能性を示唆していましたが、その後は不調が続き、宝塚記念での勝利が凱旋門賞挑戦への最後の望みでした。騎手は、これまでの担当騎手である池添謙一から、クリストフ・スミヨンへと交代しました。フランス遠征の前哨戦であるフォワ賞では優勝しており、凱旋門賞での期待も高まっていました。

一方、前年の優勝馬デインドリームや2着馬シャレータ、3着馬スノーフェアリーといった有力馬は、直前のアクシデントにより続々と回避を余儀なくされます。スノーフェアリーの故障、デインドリームへの移動制限、そしてナサニエルの発熱など、レース前には予想外の事態が重なりました。

これにより、出走馬の顔ぶれは大きく変化。古馬ではシャレータやシームーンなどが、3歳馬ではセントレジャーステークスで敗れたものの、直前で出走を表明したキャメロット、ジョッケクルブ賞優勝馬のサオノワ、そしてアイリッシュオークス優勝馬のグレートヘヴンズなどが有力候補となりました。さらに、ペースメーカーとしてアヴェンティーノ（オルフェーヴル陣営）、アーネストヘミングウェイとロビンフッド（キャメロット陣営）が登録されました。

レース展開：劇的なラストスパート

レースはマスターストロークの逃げ、ロビンフッドの2番手追走という展開でスタート。オルフェーヴルは後方からレースを進めました。道中は大きな順位変動もなく淡々と進み、最後の直線でオルフェーヴルが外からスパート。一気に先頭に立ち、後続を突き放すかに思われました。しかし、ゴール直前で内ラチに大きくよれ、失速。そこをソレミアが差し切り、優勝を飾りました。

1番人気のキャメロットは7着、サオノワは15着と、有力馬は予想外の低迷を余儀なくされました。オルフェーヴルは2着と、惜しくも勝利を逃しましたが、その強さは世界に示しました。

結果と記録

オルフェーヴルの2着は、日本馬にとって1999年のエルコンドルパサー、2010年のナカヤマフェスタに続く3度目の快挙でした。また、オリビエ・ペリエ騎手は、凱旋門賞4勝目を達成しました。このレースは、ソレミアの勝利、オルフェーヴルの健闘、そして数々のドラマが詰まった、記憶に残る一戦となりました。

付記

詳細な競走結果は、Racing Postホームページや月刊『優駿』2012年11月号を参照ください。

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