笹口 (新潟市)

新潟市中央区の「笹口（ささぐち）」は、かつて江戸時代に新田として開発された歴史を持つ地域です。栗ノ木川の下流左岸に位置し、現在はJR新潟駅南地区の一角を占めています。行政区分としては、住居表示が導入されている「大字笹口」と、住居表示未実施の「笹口一丁目」から「笹口三丁目」によって構成されています。郵便番号は950-0911です。

この地名の歴史は古く、1627年には既に開発が始まっていました。近代に入ると、1889年の町村制施行に伴い、中蒲原郡女池村の大字「笹口新田」の一部となりました。その後、女池村が鳥屋野村と合併したことで鳥屋野村の大字となり、1943年には鳥屋野村が新潟市へ編入されたため、新潟市の大字となります。2007年に新潟市が政令指定都市へ移行した際には、中央区の大字および町丁として位置づけられました。

笹口からは、時代の変遷と共にいくつかの新たな町字が分立しています。例えば、「南笹口（みなみささぐち）」は1978年に、「鐙（あぶみ）」は1959年に、「鐙西（あぶみにし）」は1978年にそれぞれ独立した地域となりました。

現在、「大字笹口」は1889年から続く歴史的な大字で、1970年の町名整理では対象外となりましたが、1980年代後半に住居表示が施行され、「笹口x番x号」という表示が用いられています。

一方、「笹口一丁目」から「笹口三丁目」は、1970年の町名整理によって新設された町丁です。JR新潟駅南口から東側、新潟県道51号新潟黒埼インター笹口線（通称：笹出線）の北側に広がるエリアを指します。これらの町丁では住居表示が未実施のため、「笹口x丁目x番地x」と表示されます。

地域内には多様な施設や企業が存在し、活気のある街並みを形成しています。主なものを挙げると以下の通りです。

公共・教育施設: 新潟市立笹口小学校、諏訪神社、大年神社、新潟県司法書士会館、新潟県行政書士会館、国際ペットワールド専門学校、新潟医療福祉カレッジ
商業・宿泊施設: プラーカ新潟（チサンホテル&コンファレンスセンター新潟、ジュンク堂書店新潟店など）、ホテルターミナルイン、ターミナルアートイン
* その他: Honda Cars 新潟中央、JOYSOUND笹口店、ユニバーサルエンターテインメント新潟営業所、太陽公園、のぞみ公園、笹口公園

交通アクセスも良好で、JR新潟駅に近接しているほか、新潟市道駅南線（けやき通り）や新潟市道南2-159号、新潟市道笹口紫竹山線（都市計画道路弁天線）、新潟県道51号（笹出線）といった主要道路が通っています。特にけやき通りでは、年末年始に美しいイルミネーションイベント「NIIGATA光のページェント」が開催され、多くの人々で賑わいます。また、国道8号・弁天ICや国道7号・8号・49号・紫竹山ICへも短時間でアクセス可能です。

笹口は、北から東回り順に長嶺町、西馬越、南笹口、そして自身を構成する大字・町丁と隣接しています。西側は駅を挟んで花園、天神などにも近い位置にあります。

地域の世帯数や人口については、2018年1月31日現在のデータが存在します。また、市立小・中学校の学区は定められていますが、一部エリア（笹口一丁目の一部）からは申請により新潟市立万代長嶺小学校や新潟市立宮浦中学校への就学が可能な特例区域となっています。

参考文献としては、『角川日本地名大辞典 15 新潟県』や『新潟市合併町村の歴史 第4巻』などが挙げられ、これらの文献に詳しい情報が記されています。

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