笹目橋

笹目橋（ささめばし）

笹目橋は、東京都板橋区高島平と埼玉県戸田市下笹目の間、荒川と新河岸川に架かる橋です。国道17号新大宮バイパスと都県道68号練馬川口線が重複する区間に位置し、上り線・下り線、そしてその間を通る首都高速5号池袋線の、計3本の橋が並行して架かっています。

概要

上流側から順に、新大宮バイパス下り線（4車線+歩道）、首都高速5号池袋線（上下各2車線）、新大宮バイパス上り線（4車線+歩道）の3本の橋が並んでいます。このうち最も古い下り線の橋は、他の2本よりも一段低い位置にあります。いずれの橋も全長は621.7m、荒川河口からの距離は約28.8kmです。歩道は国道17号の橋に設置されており、上り線は下流側、下り線は上流側に設けられています。上り線の歩道は、荒川の堤防上を通る道路に接続されています。両岸のアプローチ区間は、首都高速を除き築堤となっています。

また、笹目橋は災害時の緊急輸送路としての役割も担っており、東京都の特定緊急輸送道路、埼玉県の第一次特定緊急輸送道路に指定されています。

首都高速道路の開通前には、中央の橋が新大宮バイパスとして暫定的に使用されていた時期がありました。橋の名前は、かつて存在した旧笹目村に由来します。

歴史

1942年8月：軍民協力により、木造の旧笹目橋が開通。当時は欄干のない冠水橋で、増水時には水面下に沈む構造でした。位置は現在よりも数百メートル上流で、荒川のみに架かっていました。
1952年8月：旧笹目橋の架け替え工事が開始。
1954年5月：架け替えられた旧笹目橋が竣工。
1963年2月：新笹目橋の起工式が行われ、第一橋（現下り車線）の架設が開始。同年8月には新大宮バイパスの工事も始まりました。
1964年8月：新笹目橋第一橋が完成し、新大宮バイパスが開通。（現下り車線を利用して上下各2車線の合計4車線で運用）
1977年：現在の首都高速の橋が完成し、新大宮バイパスが暫定6車線化。（現下り車線に下り3車線、現首都高速の橋に上り3車線）
1988年：現在の上り車線の橋が完成し、上り車線が現上り線の橋へ、下り車線が現首都高の橋へ移動。現下り線の橋は改修されました。
1990年：首都高速5号池袋線（高島平 - 戸田南間）が供用開始。

周辺

笹目橋周辺は、荒川中流域の広大な河川区域の終点にあたり、下流側は狭窄な河川敷となります。上流側には荒川第一調節池（彩湖）があり、荒川近郊緑地保全区域に指定されています。

また、笹目橋は、埼玉県が荒川と新河岸川の水質測定を行う地点の一つでもあります。橋を境に、上流側は荒川上流河川事務所、下流側は荒川下流河川事務所の管轄となっています。堤内地は物流拠点となっており、倉庫が多く立地しています。

周辺施設：

西高島平駅
荒川サイクリングロード
戸田競艇場・戸田漕艇場
東京都水道局三園浄水場
東京都下水道局新河岸水再生センター
荒川河川敷運動公園
高島平緑地公園
笹目川
白子川

その他

2011年3月11日の東日本大震災では、津波が東京湾に進入し、荒川を遡上。笹目橋では50cmの津波が観測されました。遡上した津波は、笹目橋から3つ上流の秋ヶ瀬取水堰で停止しました。

隣の橋

荒川：（上流）- 荒川橋梁 - 幸魂大橋 - 笹目橋 - 戸田橋 - 荒川橋梁 - （下流）
* 新河岸川：（上流）- 新倉橋 - 芝宮橋 - 笹目橋 - 早瀬人道橋 - 新早瀬橋 - （下流）

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