筒井順尊

筒井順尊（つついじゅんそん）は、室町時代後期に大和国（現在の奈良県）で勢力を誇った国人、筒井氏の当主です。父は筒井順永。栄藤、舜覚坊とも呼ばれていました。

当時の大和国は、畠山義就と畠山政長の対立の影響を受け、国内の国人たちも二つの勢力に分かれて激しい抗争を繰り広げていました。筒井氏は畠山政長を支持する勢力に属し、応仁の乱においては、父である順永と共に、畠山義就派の越智家栄や古市澄胤らと大和国内で激戦を交わしました。

しかし、文明8年（1476年）に父・順永が死去。翌文明9年（1477年）9月には、畠山義就が河内国に下向し、政長派を打ち破り、制圧するという事態が発生します。この勢いに乗じた越智家栄らは、筒井順尊や箸尾為国らを大和国から追放し、河内国と大和国は事実上、義就の支配下に入りました（正式な守護は政長と興福寺でしたが、義就が実力で掌握しました）。

その結果、順尊ら政長派は、領地を失い、流浪の身となります。その後、十市遠清・遠相父子も大和国から脱出を余儀なくされました。

その後、順尊は大和国奪還を目指し、度々ゲリラ戦を仕掛けますが、その都度敗北。故郷に復帰を果たすことができないまま、長享3年（1489年）7月22日、京都において39歳という若さで死去しました。

筒井順尊は、激動の時代に翻弄され、志半ばで倒れた悲劇の武将と言えるでしょう。彼の生涯は、室町時代の地方武士の苦難と、中央の権力争いが地方に及ぼした影響を物語るものとして、歴史に刻まれています。

[外部リンク]

* 筒井氏同族研究会

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