筒賀駅

筒賀駅

筒賀駅（つつがえき）は、かつて広島県山県郡筒賀村の中筒賀（現在の安芸太田町）に存在した、西日本旅客鉄道（JR西日本）可部線の鉄道駅です。可部線の可部駅から三段峡駅に至る非電化区間の廃線に伴い、2003年（平成15年）12月1日に廃止され、その役目を終えました。

歴史

この駅が開業する以前にも、「筒賀駅」という名前の駅が存在していましたが、そちらは開業直前に田之尻駅へと改称されています。現在の筒賀駅が開業したのは、1969年（昭和44年）7月27日のことです。これは国鉄可部線の加計駅と三段峡駅の間が開通した際の一駅として、一般駅かつ業務委託駅として営業を開始しました。

開業後、1978年（昭和53年）10月1日には、それまで行っていた車扱貨物の取り扱いが終了し、旅客専業の駅となりました。合理化の流れの中で、1985年（昭和60年）2月1日には無人駅となり、簡易委託駅としての運営に移行します。その後、1987年（昭和62年）4月1日に国鉄が分割民営化されたことに伴い、JR西日本へと継承されました。そして、2003年（平成15年）12月1日、可部線非電化区間の廃止という運命を共有し、廃駅となりました。

駅名の由来

駅の名称は、所在地の自治体名である広島県山県郡筒賀村から名付けられました。

駅構造

筒賀駅は、地上に設置された島式ホーム1面2線の構造を持つ駅でした。開業当初は列車の行き違いが可能な交換設備として両方の線路が活用されていましたが、晩年には加計駅と三段峡駅間の閉塞方式がスタフ閉塞に変更されたため、実質的に棒線化され、ホーム南側の線路のみが使用されていました。

駅には駅舎があり、簡易委託駅として運営されていました。乗車券の販売は、駅員が携帯する車内発券端末で行われていました。改札を通過すると、築堤の上に位置するホームへは階段を上る必要がありました。ホームへは、上り線にあたる北側の線路を渡り、西側からアクセスする形になっていました。

駅周辺

駅の北側には太田川の支流である筒賀川が流れ、その北岸を国道186号線（国道434号線との重複区間）が通っています。駅と国道は、筒賀村（現在の安芸太田町）が管理する町道によって結ばれていました。駅の裏手、すなわち南側には広島県道303号上筒賀筒賀停車場線が通っており、さらにその南側を中国自動車道が横断しています。駅の南西には、中国自動車道の筒賀パーキングエリアがあります。筒賀村の中心部である村役場（現在の安芸太田町役場筒賀支所）や、筒賀小学校、筒賀中学校（現在の安芸太田町立安芸太田中学校）は、駅から西へ約1kmほど離れた場所に位置しています。実は、筒賀村からの強い要望があり、上殿駅と土居駅の間を結ぶ線路は、村の中心部に近いこの筒賀駅を経由するルートとなりました。駅近くには、三段峡交通の「八幡原」バス停留所があります。

現状

廃止から時が経ち、筒賀駅の施設は撤去されています。駅舎やプラットホーム、そして駅の周囲にあったレールなどは全て解体・撤去されました。かつての線路敷の一部は、町の管理する道路として利用されています。しかし、駅舎があった場所と築堤上のホームを結んでいた階段は、現在も残されており、駅があった場所を物語る唯一の名残となっています。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）
可部線
上殿駅 - 筒賀駅 - 土居駅

関連項目

日本の鉄道駅一覧
可部線#可部駅 - 三段峡駅間の廃止
田之尻駅（初代筒賀駅）
広島県道241号筒賀停車場線
* 広島県道303号上筒賀筒賀停車場線

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