筧栄一

筧栄一（かけい えいいち）

プロフィール

筧栄一は、1927年5月27日に島根県隠岐郡西郷町（現在の隠岐の島町）で生まれ、2013年5月15日に多臓器不全のため85歳で亡くなった日本の弁護士、元検事総長です。正三位の位階を有しています。

学歴と初期のキャリア

1940年に東京府立第一中学校に入学。同期には、後に官界や経済界で活躍する山口光秀（大蔵事務次官）、杉山和男（通産事務次官）、手島冷志（外務審議官）、柳健一（駐韓大使）、そして出光昭介（出光興産会長）などがいました。その後、第一高等学校を経て1951年に東京大学法学部政治学科を卒業しました。1953年に検察官となり、法曹界でのキャリアをスタートさせました。

検察官としての活躍

1975年、法務省人事課長に就任。その後、1978年に佐賀地方検察庁検事正、1979年に法務省大臣官房長、1982年に最高検検事、1983年に法務省刑事局長を歴任し、1985年には法務事務次官に昇進しました。1988年6月には東京高等検察庁検事長に就任し、1990年から1992年まで海部内閣で検事総長を務めました。

検事総長時代には、リクルート事件や東京佐川急便事件など、数々の重要事件の捜査を指揮しました。リクルート事件では、藤波孝生、江副浩正、真藤恒らが起訴され、東京佐川急便事件では与野党議員100名以上への不正献金疑惑が浮上。この事件は、金丸信自民党副総裁の辞職にまで発展しました。さらに、共和汚職事件では、ヤミ献金疑惑を追及し、阿部文男北海道開発庁長官を起訴にまで至らせました。

退官後の活動

1992年5月に検事総長を退官した後、同年6月に弁護士登録を行いました。1994年7月には三井生命保険監査役、2001年6月には東芝監査役、2003年6月には東芝取締役を務めました。また、1997年には日本臓器移植ネットワーク理事長に就任し、1998年には福岡ダイエーホークスのスパイ行為疑惑に関するパシフィック・リーグ調査委員会委員長を務めるなど、多方面で活躍しました。その他、国際研修協力機構の理事長も務めています。

受章と晩年

1999年には、長年の功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。2013年5月15日、多臓器不全により85歳で逝去。没後、その功績を称えられ正三位に叙されました。

筧栄一は、検察官として数々の難事件に取り組み、その手腕を発揮しました。退官後も、弁護士として、また企業の監査役や団体の理事長として、社会に貢献し続けた人物です。

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