篠原総一

篠原 総一

篠原 総一（しのはら そういち）氏は、1945年に生まれ、経済学の分野で顕著な功績を残している日本の研究者です。特に国際経済学とマクロ経済学を専門としており、現在、京都先端科学大学の学長を務めています。長年にわたる教育・研究活動を通じて、同志社大学経済学部の名誉教授の称号も得ています。また、中国人民大学経済学院の客座教授や日本経済教育センターの理事長も兼任しており、国内外の経済学教育および研究交流に貢献しています。

経歴と学歴

岡山県に生まれた篠原氏は、大阪府立北野高等学校を経て、日本の最高学府の一つである東京大学経済学部で経済学を修め、1969年に卒業しました。さらに学識を深めるため、海外へ渡り、1973年にはアメリカ合衆国のシカゴ大学大学院で修士号（M.A.）を取得。その後、カナダのウォータールー大学大学院に進み、1976年に博士号（Ph.D.）を取得しました。これらの海外での学びは、その後の研究者としてのキャリアの基盤となりました。特に、ウォータールー大学では、マンデル・フレミングモデルで知られるノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル氏に師事し、直接指導を受けたことは、篠原氏の学術的背景において特筆すべき点です。その学術的な功績は高く評価されており、中国人民大学および西北大学からは名誉博士号が授与されています。

研究者としての歩み

ウォータールー大学で講師として教壇に立った後、同大学の助教授を務めました。帰国後、1978年からは同志社大学経済学部に奉職し、講師としてキャリアをスタートさせました。その後、1980年には助教授に昇任し、着実に研究者・教育者としての地位を確立。1984年からは同大学の教授として、長きにわたり後進の指導と研究活動に尽力しました。2015年には同志社大学の名誉教授となり、同年に京都学園大学（現在の京都先端科学大学）の学長に就任。現在に至るまで、大学運営の要として手腕を発揮しています。

主な業績

篠原氏は、専門分野である国際経済学やマクロ経済学を中心に、数多くの学術的な成果を世に送り出しています。その著作は、単著、共著、共編著として幅広く出版されており、日本の経済学教育にも大きな影響を与えています。主要な著作には以下のようなものがあります。

単著

『わかる!ミクロ経済学――レクチャーとエクササイズ』（有斐閣, 2002年）

共著

（西村理と共著）『入門日本経済』（日本評論社, 1989年）
（浅子和美と共著）『マクロ経済学・入門』（JICC出版局, 1990年）
（堀場雅夫と共著）『ベンチャー魂――日本経済よ、甦れ』（PHP研究所, 1996年）
（野間敏克、入谷純と共著）『初歩から学ぶ経済入門――経済学の考え方』（有斐閣, 1999年）

共編著

（原信と共編）『アメリカの高金利政策』（有斐閣, 1984年）
（奥野正寛、金本良嗣と共編）『交通政策の経済学』（日本経済新聞社, 1989年）
（浅子和美と共編）『入門・日本経済』（有斐閣, 1997年、その後新版、第3版を刊行）
* （西村理、平山健二郎と共編）『インタラクティブ・エコノミクス――さあ、始めよう経済学』（有斐閣, 2003年）

これらの著作は、専門家だけでなく、経済学を学ぶ学生にとっても重要な文献となっています。2025年には、これまでの学術・教育への貢献が認められ、瑞宝中綬章を受章する予定です。

篠原氏の活動は、研究、教育、そして大学運営と多岐にわたり、日本の経済学界および高等教育の発展に寄与し続けています。

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