篠瀬三十七

篠瀬三十七（しのせ みとしち）：異色のプロレスラーの軌跡

篠瀬三十七は1975年3月4日生まれの元プロレスラーで、東京都北区出身です。彼は、大手企業でのサラリーマンを経て、37歳でプロレス界に挑戦した異色のキャリアを持っています。本名は篠瀬晃（しのせ あきら）で、血液型はA型です。彼のリングネームは、その年齢に由来しています。

経歴の歩み

篠瀬は早稲田大学法学部を卒業し、卒業後はヨドバシカメラや富士通といった企業で販売職に従事。その後、派遣会社で管理職を務めていたものの、2010年7月に永田克彦が運営する格闘技ジム「レッスルウィン」に入門しました。ですが、練習中に左膝の前十字靭帯を断裂し、さらには半月板も損傷し、同年8月に勤務先を解雇されることとなります。

この事故をきっかけに、彼は幼少期の夢であったプロレスラーになる決心を固めます。2010年9月には、江崎グリコのプロダクトマネージャーであり全日本プロレスのコンディショニングコーチでもあった桑原弘樹の指導を受け、肉体改造に取り組みますが、最初は夢への道のりが滑らかではありませんでした。彼はユニオンプロレスやプロレスリングZERO1などで入門テストを受験するも、思うようには合格できませんでした。

2011年2月、サラリーマンからプロレスラーに転向したTAJIRIが主催するSMASHトレーニングキャンプに参加。その後、2012年に再度プロテストを受けますが、続けて不合格となり、TAJIRIからも「でんぐり返しもできなかった」と言われる始末でした。とはいえ、彼は努力を続け、2012年4月5日には新団体「Wrestling New Classic」に所属することになります。

2012年6月、ついに新宿FACEでのプロテストに合格し、同年7月15日に後楽園ホール大会でデビューを果たします。デビューの数ヵ月後には初勝利も挙げ、2013年には第1回「デーブ・フィンレー杯」での優勝を果たすなど、次第にその実力を示していきました。

プロレス団体の運営

2014年には自主興行「感謝」を開催し、1月30日には「ASUKA PROJECT」を設立します。これにより、個人プロモーション業務も開始。選手としても活動しながら、裏方の業務にも力を入れていきました。春には株式会社飛鳥に法人化し、代表取締役に就任しました。

篠瀬はその後も様々な団体で試合を行い、特に地方団体とも積極的に関わりながら持ち前のプロレススピリットを発揮。試合においては「バズーカエルボー」や「ネックブリーカー」などの得意技を披露し、ファンの支持を集めました。

しかし、2019年には脳腫瘍の診断を受け、療養のために引退を決意。その後、彼は自らのプロモーション「飛鳥プロレス」を旗揚げし、新宿FACEで活動を再開するも、2020年には病状の悪化により活動を休止せざるを得なくなりました。この新型コロナウイルス感染からの影響もありつつ、彼は次回の復活を目指して体調の回復を図っています。

2022年には、長女のしのせ愛梨紗がアイスリボンに入団。篠瀬のプロレス界におけるレガシーは、家族に受け継がれているようです。篠瀬三十七は、その独自のキャリアと情熱を持ち続け、いつの日か再びプロレスファンの前に立つ日を待ち望んでいます。

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