篠田康雄

篠田康雄

篠田康雄（しのだ やすお、1908年1月3日 - 1997年2月1日）は、日本の神職。
神社本庁総長、熱田神宮宮司、皇學館大学理事長、同総長などを歴任し、戦後の神社界の復興に大きく貢献しました。

生涯

1908年（明治41年）1月3日、三重県宇治山田市（現在の伊勢市）にて、神宮禰宜を務めていた篠田幸雄の三男として誕生しました。
1930年（昭和5年）に神宮皇學館本科を卒業後、国幣大社である多度神社に奉職しました。その後、1932年（昭和7年）に別格官幣社北畠神社主典、1933年（昭和8年）に官幣大社多賀神社主典を経て、1939年（昭和14年）に官幣大社熱田神宮禰宜に就任しました。

1942年（昭和17年）には熱田神宮権宮司に就任しますが、1945年（昭和20年）の神道指令により官制職が廃止。その後も権宮司として、当時の長谷外余男宮司を補佐し、熱田神宮の戦災復興に尽力しました。
1964年（昭和39年）に熱田神宮宮司に任命され、1986年（昭和61年）までその職を務め、名誉宮司となりました。1997年（平成9年）2月1日に逝去。

神社本庁・神社庁においては、1946年（昭和21年）の愛知県神社庁設立に伴い副庁長に就任。1950年（昭和25年）には神社本庁理事、1959年（昭和34年）には神社本庁常任理事、1964年（昭和39年）には愛知県神社庁長を歴任しました。

1974年（昭和49年）には、神社本庁事務総長に就任（1976年に「事務総長」は「総長」に改称）。
1983年（昭和58年）までの3期9年という長きにわたりその地位にあり、「神社本庁憲章」の制定、神社関係出身有識者懇談会の結成、神職の生涯教育・後継者養成のための中央研修所設置など、数多くの施策を実行しました。
総長退任後は神社本庁常任顧問となり、1984年（昭和59年）には長老の称号と鳩杖が贈られました。

1981年10月27日、「元号法制化実現国民会議」を改組する形で、「日本を守る国民会議」の結成式が行われました。
篠田は井深大や宇野精一らとともに結成式の呼びかけ人に名を連ねています。

神道指令により廃絶された母校である国立神宮皇學館大學の再興に情熱を注ぎ、1962年（昭和37年）には私立皇學館大学として復活させました。
1982年（昭和57年）には同大学理事長、1992年（平成4年）には総長に就任し、後進の育成に尽力しました。

著書

『熱田神宮』 学生社＜日本の神社シリーズ＞ 1968年
『緑陰隻語』 熱田神宮宮庁 1985年

追悼文集

* 『追想』 篠田康雄大人命を偲ぶ会 1999年

篠田康雄は、日本の神社界にとって重要な役割を果たした人物であり、その功績は後世に語り継がれています。

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