簗場駅

簗場駅：大糸線の歴史を刻む無人駅

長野県大町市平中綱に位置するJR東日本大糸線・簗場駅は、昭和初期からの歴史を有する駅です。1929年9月、大糸南線の一部として開業、旅客と貨物の取り扱いを開始しました。その後、路線の延伸や電化を経て、1957年には大糸線に改称。現在では無人駅として、静かに時を刻んでいます。

開業から無人化、そして現在

開業当初は、貨物輸送も盛んに行われていましたが、1963年には貨物取扱いが廃止、1984年には荷物扱いも廃止されました。その後、1986年には無人駅となり、2004年には駅舎が撤去され、待合所が設置されるなど、時代の変遷とともに変化を遂げてきました。

2014年には、長野県神城断層地震の影響を受け、大糸線の信濃大町駅～糸魚川駅間が運休。簗場駅もその影響を受けましたが、同年12月には全線復旧を果たしました。地震の影響は、大糸線の歴史における大きな出来事の一つとして記憶されています。

駅の構造と周辺環境

簗場駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。ホーム間は跨線橋で連絡しており、留置線も備えています。駅舎はないものの、待合所が設置され、利用客の利便性を考慮した設計となっています。

駅周辺は、静かな山間の風景が広がり、民宿街を形成しています。中綱湖（仁科三湖の一つ）、国道148号、サンアルピナ鹿島槍スキー場なども比較的近く、自然豊かな環境に恵まれた場所にあります。大町市民バスの中綱バス停も利用可能です（予約制）。

利用状況と隣接駅

近年では、利用客数は減少傾向にあり、1日平均乗車人員は数十人程度です。これは、周辺地域の過疎化や、自動車利用の増加など、社会情勢の変化を反映していると言えるでしょう。

隣接駅は、大糸線の快速・普通列車が停車します。快速の場合は信濃大町駅、普通列車の場合は海ノ口駅と神城駅が隣接しています。かつてはヤナバスキー場前駅も隣接していましたが、現在は廃駅となっています。

変わらない風景と未来

簗場駅は、大糸線の歴史を語る上で重要な駅の一つです。無人駅となった現在も、周辺住民の生活を支える役割を担い、静かな佇まいの中で、次の時代へと繋がる存在となっています。かつての賑やかさを偲びつつ、変わらない自然と、新たな時代の流れを見つめ続けている、そんな印象を受ける駅です。将来にわたって、この地のシンボルとして大切に守られていくことを願っています。

もう一度検索