簡易公判手続

簡易公判手続（かんいこうはんてつづき）

簡易公判手続は、日本の刑事訴訟法において、比較的軽微な事件のために用いられる特別な手続きです。具体的には、被告人が起訴状に記載された訴因についての有罪陳述を行った場合に、裁判所が職権でこの手続きを採用することが可能です。この手続きは、主に量刑が問題となる場合に適用され、証拠調べのプロセスを合理化することを目的としています（刑事訴訟法第291条の2）。

手続の開始

簡易公判手続は、略式手続や即決裁判手続とは異なり、検察官が公訴提起時に申請することを求められません。被告人が有罪陳述をした場合、裁判所は自らの判断で簡易公判手続を決定します。ただし、死刑または無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件は除外されます。さらに、手続きの決定には、検察官、被告人、弁護人からの意見聴取が必要とされています（刑事訴訟法第291条の2、および刑事訴訟規則第197条の2）。

手続の内容

簡易公判手続においては、伝聞法則の適用が原則としてありませんが、これには一定の条件が存在します。検察官、被告人、または弁護人の異議がなければ、伝聞法則は適用されませんが、自白を根拠にするには補強証拠が要求されます（刑事訴訟法第319条）。また、証拠調べの際の様式は、裁判所が適切だと認める方法で自由に決定できます（第307条の2）。これにより、冒頭陳述を行う義務や、証拠調べの範囲・順序・方法の制限がありません。

手続の取消

裁判所は、一度簡易公判手続を決定しても、事件がこの手続きを続けることが不適切であると認識した場合、その決定を取り消さなければなりません（刑事訴訟法第291条の3）。これは、迅速性と公平性を両立させるための重要な規定です。

関連項目

簡易公判手続は、迅速な裁判を可能にする手続きとして、以下のような関連項目と共に利用されます：

• - 迅速な裁判
• - 罪状認否（アレインメント）
• - 即決裁判手続
• - 略式手続
• - 交通事件即決裁判手続
• - 司法取引

これらの手続きは、裁判の効率を促進し、被告人や被害者に対して迅速な解決を提供することを目指しています。

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