米崎薫臣

米崎 薫臣

米崎 薫臣（よねざき くんじ）氏は、1968年3月19日に大阪府豊中市で生まれた元プロ野球選手です。主に内野手としてプレーし、右投げ左打ちでした。特に強肩の内野手として評価が高く、プロ入り後には捕手へのコンバートも検討されたことがあります。国際舞台での経験も豊富で、ソウルオリンピック野球競技の銀メダリストとしても知られています。

アマチュア時代

此花学院高校では、遊撃手として一番打者を務め、チームを牽引しました。1985年には3年生として夏の甲子園大阪府予選に出場し、準々決勝まで進出しましたが、当時「KKコンビ」を擁して強豪だったPL学園に敗れ、惜しくも甲子園出場は叶いませんでした。

高校卒業後は、社会人野球の強豪である日本生命に進みました。日本生命では1986年から都市対抗野球大会に出場し、初出場となった富士重工業との1回戦では本塁打を放つなど、チームの勝利に貢献しています。また、1987年と1988年には、同じ社会人野球の松下電器の補強選手として都市対抗に出場しています。

社会人時代は日本代表としても活躍しました。1987年にはインターコンチネンタルカップの日本代表に選出され、国際経験を積みました。そして1988年には、その守備力が評価され、野球ワールドカップおよびソウルオリンピックの日本代表メンバーに選ばれています。特にソウルオリンピックでは、野手としてはチーム最年少の20歳ながら、予選リーグの対オランダ戦に遊撃手、2番打者として先発出場し、1打数1安打1四球の成績を残しました。チームは決勝でアメリカに敗れたものの、見事銀メダルを獲得しました。

プロ野球時代

ソウルオリンピックでの活躍が注目され、同年秋のドラフト会議で大阪近鉄バファローズから1位指名を受け、プロ入りを果たしました。契約金は6,500万円、年俸は720万円（推定）でした。入団時には走攻守三拍子揃った選手として高い評価を受け、当時の仰木彬監督からもその野球センスを高く評価されていました。背番号は、前年に現役を引退した名捕手、梨田昌孝氏がつけていた「8」を受け継ぎ、大きな期待を背負いました。

近鉄入団後の1989年シーズン、7月からは遊撃手として18試合に先発出場するなど、徐々に一軍での出場機会を得ました。この年、読売ジャイアンツと対戦した日本シリーズにも出場し、第1戦で真喜志康永選手の代打として打席に立ちましたが、斎藤雅樹投手の前に捕邪飛に倒れています。

1990年シーズンは開幕から遊撃手として起用され、51試合に先発出場するなど、出場機会が増加しました。真喜志選手、吉田剛選手、安達俊也選手らと遊撃手の定位置を争いましたが、攻守両面で課題が見られる場面もあり、首脳陣からの絶対的な信頼を得るには至りませんでした。特に、この年プロ入りし、後に「トルネード投法」でメジャーリーグでも活躍する野茂英雄投手が、延長10回に180球を投げた有名な試合（5月8日の対ダイエー戦）では、途中から遊撃手として出場しましたが、ある判断ミスが敗戦につながりました。サインプレーを重視する仰木監督は、この件以降、米崎選手の起用を次第に減らしていきました。

1991年以降は、故障なども重なり、一軍での出場機会が大幅に減少しました。1992年には、新たにコーチに就任した今津光男氏から走塁技術の指導を受けるなど、春季キャンプではレギュラー争いに加わることが期待されましたが、シーズンを通しての一軍出場はわずか5試合にとどまりました。

1994年シーズン開幕前に、嶋田章弘選手とのトレードで阪神タイガースへの移籍が決まりました。阪神では、打撃が伸び悩んでいた久慈照嘉選手らとのポジション争いが期待されました。この年、移籍初年度ながら53試合に出場し、そのうち3試合では三塁手として先発出場するなど、新天地で一定の出場機会を得ました。しかし、その後は再び出場機会が減少し、1996年の出場が最後の一軍公式戦となりました。

1998年シーズン限りで現役を引退しました。

現役引退後

現役引退後は、地元である大阪府豊中市で焼き鳥店を経営していましたが、現在は閉店しています。現在は、兵庫県宝塚市内の会社に勤務するかたわら、野球界にも関わり続けており、大阪工業大学硬式野球部で野手コーチを務めて後進の指導にあたっています。また、少年硬式野球チームである茨木ナニワボーイズのアドバイザーも務めています。

プロ野球での主な初記録

初出場：1989年7月11日、対西武ライオンズ11回戦（藤井寺球場）、7回裏に羽田耕一の代打
初先発出場：1989年7月13日、対西武ライオンズ13回戦（藤井寺球場）、9番・遊撃手として
初安打・初本塁打・初打点：同上、3回裏に松沼博久投手から右越ソロ
初盗塁：1989年8月11日、対日本ハムファイターズ19回戦（東京ドーム）、9回表に二盗

背番号

近鉄：8（1989年 - 1993年）
阪神：37（1994年 - 1997年）、00（1998年）

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