米州自由貿易地域

米州自由貿易地域（FTAA/ALCA）とは

米州自由貿易地域（Free Trade Area of the Americas; FTAA）は、南北アメリカ大陸とその周辺国（ただしキューバを除く）の間で、貿易障壁を排除または削減することを目的として構想された協定です。スペイン語ではÁrea de Libre Comercio de las Américas; ALCA、フランス語ではZone de libre-échange des Amériques; ZLÉA、ポルトガル語ではÁrea de Livre Comércio das Américas; ALCA、オランダ語ではVrijhandelszone van Amerikaと表記されます。

1994年11月に協議が開始され、2003年11月にはアメリカ合衆国フロリダ州マイアミで34カ国の貿易相が集まり、協定に関する話し合いが行われました。

FTAA構想の背景

この協定は、アメリカ合衆国、メキシコ、カナダ間で締結されている北米自由貿易協定 (NAFTA) の拡大として提案されました。しかし、多くの国がこの案に反対しました。その主な理由は以下の通りです。

先進国と発展途上国の対立:
WTOのドーハ開発ラウンドと同様に、先進国側はサービス産業の貿易拡大と知的財産権の確立を求めましたが、発展途上国側は先進国の農業保護政策の中止と農作物の貿易自由化を求めました。この対立が、交渉を困難にしました。
米州ボリバル代替統合構想の影響:
キューバ、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、ドミニカ国、ニカラグア、ホンジュラスといった米州ボリバル代替統合構想に属する国々は、特にこの構想に反発しました。アルゼンチン、チリ、ブラジルなども反対に回りました。

交渉の行方と各国の立場

会議では、ブラジルが発展途上国側のリーダーとして、アメリカ合衆国が先進国側のリーダーとして振る舞い、それぞれの立場を主張しました。しかし、双方の主張は相容れず、交渉は難航しました。

FTAA構想の現状と今後の展望

FTAA構想は、その後の進展は見られていません。各国はそれぞれの経済状況や政治的な立場から、地域統合のあり方を模索しています。今後の米州における自由貿易の枠組みは、二国間協定や、より柔軟な地域協力の形へとシフトしていく可能性があります。

関連情報

米州機構
メルコスール
北米連合
北米回廊
ラテンアメリカ統合連合
南米諸国連合

外部リンク

* 米州自由貿易地域（FTAA） - 日本国外務省

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