米谷匡史

米谷匡史（よねたに まさふみ）

米谷匡史氏は、1967年4月生まれの日本の歴史学者で、日本思想史を専門としています。現在は、東京外国語大学総合国際学研究院の教授として教鞭を執っています。

人物・経歴

1990年に東京大学教養学部教養学科相関社会科学分科を卒業後、1992年に同大学大学院総合文化研究科相関社会科学専攻修士課程を修了。1993年には同大学院の博士課程を中退されました。

その後、東京外国語大学外国語学部にて助教授、准教授を歴任し、2009年からは東京外国語大学総合国際学研究院の准教授、そして2014年より現職である教授に就任しました。

また、米谷氏の兄は予備校経営者の米谷達也氏です。

研究活動

米谷氏の研究は、日本思想史における様々なテーマを扱っており、特に戦前・戦中・戦後の日本の思想的変遷に焦点を当てています。その研究は、多岐にわたる著作や論文として発表されており、学術界に大きな影響を与えています。

著作

単著

『アジア／日本』（岩波書店、2006年）

共編著

『日本の歴史 08 古代天皇制を考える』（講談社、2001年） - 大津透、大隅清陽、関和彦、熊田亮介、丸山裕美子、上島享との共著
『一九三〇年代のアジア社会論 「東亜協同体」論を中心とする言説空間の諸相』（社会評論社、2010年） - 石井知章、小林英夫との共編著

編纂

和辻哲郎『人間存在の倫理学』（京都哲学撰書・燈影舎、2000年）
『尾崎秀実時評集：日中戦争期の東アジア』（平凡社東洋文庫、2004年）
『谷川雁セレクションI・II』（日本経済評論社、2009年） - 岩崎稔との共編

主要論文

米谷氏の論文は、その緻密な分析と深い洞察力で知られており、以下のようなテーマの論文を発表しています。

「三木哲学とマルクス - 内在論からの超出」（『現代思想』、1993年）
「丸山真男の日本批判」（『現代思想』、1994年）
「和辻哲郎と王権神話の再解釈 - 尊皇思想とその伝統をめぐって」（『国語と国文学』、1994年）
「『世界史の哲学』の帰結 - 戦中から戦後へ」（『現代思想』、1995年）
「丸山真男と戦後日本 - 戦後民主主義の始まりをめぐって」（『情況（第二期）』、1997年）
「戦時期日本の社会思想 - 現代化と戦時変革」（『思想』、1997年）
「三木清の『世界史の哲学』 - 日中戦争と『世界』」（『批評空間』、1998年）
「マルクス主義の世界性とコロニアリズム」（『情況（第2期）』、2000年）
* 「矢内原忠雄の植民・社会政策論 - 植民地帝国日本における『社会』統治の問題」（『思想』、2003年）


これらの論文は、戦前・戦中の日本の思想状況や、戦後日本の思想的転換を深く掘り下げたものであり、現代の日本思想研究においても重要な文献として参照されています。米谷氏の研究は、日本思想史だけでなく、広く社会思想研究においても重要な貢献をしています。

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