粕川村 (群馬県)

粕川村の概要

粕川村（かすかわむら）は、群馬県勢多郡に位置していた村で、2004年12月5日に前橋市に合併されました。この合併により、独立した行政単位としての粕川村は消滅しましたが、かつての村の名は今も前橋市の粕川町として残っています。
また、伊勢崎市や太田市にも同名の「粕川町」が存在し、いずれも「かすかわちょう」と呼ばれています。

地理

粕川村は群馬県のほぼ中央に位置し、赤城山がその前景を形成しています。南北に流れる粕川と上毛電気鉄道が西東に村を貫通しており、地形は南北に長く広がっていました。特に冬季には、北西からの冷たい風が吹き付ける地域でした。

隣接自治体

粕川村は前橋市、大胡町、宮城村、富士見村（現：桐生市）、赤堀町（現：伊勢崎市）と隣接していました。

歴史

粕川村は1889年に14の村が合併して誕生しました。その名前は、村内で行われている400年以上の歴史を持つ神事「ささら祭り」に由来し、祭りの際には川に酒粕を流す儀式が行われます。
1939年には村内で強盗殺人事件が発生し、社会問題にもなりました。また、1966年には村長の金子裕が「迷信追放の村」を宣言し、丙午の迷信に対する根拠を広報活動を通じて伝え、全国的な注目を集めました。

合併後の住所

合併に際して行われたアンケートでは、住民からいくつかの住所候補が提案されました。最終的には「前橋市粕川町○○」という形で名称が決まり、合併後も粕川の名が残ることとなりました。

行政

合併前の粕川村の行政体制は、西田面、新屋、稲里などの地域に分かれていました。村長には後閑千代壽が、助役には瀬下渉が、収入役には阿久沢知五郎が就任していました。

経済と産業

1999年の統計によれば、粕川村では第一次産業に828人、第二次産業に2339人、第三次産業に3030人が従事していました。農業は村の重要な産業でしたが、1930年の資料によれば、米や麦、繭などが主要な産物でした。

人口

1912年の「帝国地名辞典」によると、当時の人口は6139人で、1930年には8853人に達しました。

地域構成

粕川村には、以下の大字が存在しました。合併時には全て「前橋市粕川町○○」として継承されました。

• - 新屋（現：粕川町新屋）
• - 稲里（現：粕川町稲里）
• - 上東田面（現：粕川町上東田面）
• - 西田面（現：粕川町西田面）

その他、多くの大字が市町名に継承されています。

教育

教育機関としては、粕川村立粕川小学校、月田小学校、粕川中学校があり、今はそれぞれ前橋市立の学校として存続しています。

交通

交通手段には上毛電気鉄道があり、北原駅、新屋駅、粕川駅、膳駅などがありました。
また、近隣には北関東自動車道・伊勢崎インターチェンジがあり、国道353号や県道も整備されていました。

名所と出身有名人

粕川村には膳城（県指定史跡）や粕川歴史民俗資料館があり、観光名所も存在しました。また、金子与重郎（元衆議院議員）や北爪健吾（サッカー選手）といった有名人が輩出されています。

参考文献

• - 粕川村誌編纂委員会 編『粕川村誌』
• - 大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』
• - 太田為三郎編『帝国地名辞典 上巻』

このように、粕川村は豊かな歴史を持ち、さまざまな文化と地域資源が根付いていました。今でもその痕跡を辿ることができる場所として、多くの人に憶えられています。

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