粕谷茂

粕谷 茂の生涯と業績

粕谷 茂（かすや しげる、1926年2月14日 - 2011年10月21日）は、日本の著名な政治家であり、正三位に叙位されるなどその業績は高く評価されていました。東京都出身で、自民党の衆議院議員を9期にわたって務め、多くの政治的責任を担った存在として記憶されています。特に北海道開発庁長官（第50代）および沖縄開発庁長官（第19代）としての役割は、彼のキャリアにおいて重要な位置を占めています。

学歴と初の国政選挙

粕谷は日本大学法文学部の政治経済学科を卒業後、政治の世界に足を踏み入れました。まずは広川弘禅の秘書として活躍し、その後、東京都議会議員として経験を積みました。1972年の第33回衆議院議員総選挙では、旧東京4区から出馬し、見事に初当選を勝ち取りました。この選挙には、後に名を馳せる小泉純一郎や加藤紘一、石原慎太郎といった面々も参加しており、彼はその中でも9回の連続当選を果たしました。

政治的キャリア

自民党内では宏池会（大平派→鈴木派→宮澤派）に属し、1987年には竹下内閣において北海道開発庁長官及び沖縄開発庁長官として初めての入閣を果たしました。彼の経歴は、特に官僚出身の政治家に対抗する叩き上げの党人派として知られていました。また、1993年には衆議院予算委員長に就任し、重要な役割を果たしました。

政治的立場と選挙活動

粕谷は自民党東京都連会長としても重要な役割を担っていました。1991年の東京都知事選では、東京の知事選を「東京の人間が決める」と主張し、党本部が支持する候補者に反発して現職の鈴木俊一を応援しました。この活動は鈴木の4選に大きな影響を与え、彼の政治的影響力を示す出来事となりました。

一方で、宏池会内では河野洋平に近い立場を取り、同じく当選同期であった加藤紘一に対して否定的な感情を抱いていたことも知られています。1998年には加藤が党派の後継者となることが見込まれると、河野や麻生太郎らとともに派閥を離れ大勇会を設立しました。

引退とその後

2000年の第42回衆議院議員総選挙では、東京都第7区に立候補しましたが、民主党の長妻昭に敗れ、落選を経験しました。落選後は再度出馬の意向を示して活動を続けましたが、年齢の壁により次回選挙では公認されないとの通知を受け、政界からの引退を決意しました。この出来事は当時の選挙制度の変化を象徴するものであり、彼の政治生命の終焉を意味しました。

2000年には勲一等旭日大綬章を受章し、引退後も自民党の党紀委員会委員や東京都連最高顧問として活動を続けました。2011年10月21日、東京都内の病院で多臓器不全により85歳で亡くなりました。彼のキャリアは、日本の政治史において重要な位置を占めており、多くの人々に影響を与え続けています。

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