粛宗 (朝鮮王)

粛宗 (スクチョン)

概要

粛宗（順正王、1661年9月8日 - 1720年7月13日）は、李氏朝鮮の第19代国王である。彼は在位期間中、朝鮮歴史の中で最も党争が激しい時期を統治した。主な子女には景宗と英祖がいる。

生涯

粛宗は1661年に生まれ、1667年には王世子として的性され、1674年には14歳で即位した。彼は垂簾聴政を行わず、国家を直接統治する姿勢を見せた。この彼の治世は、南人と西人という二大党派の対立の激化が特徴であり、特に1680年に発生した庚申換局では南人を大量に追放し、西人が老論と少論に分裂した。党派間の政治争いは厳しく、特に仁顕王后と禧嬪張氏を巡る争いは、王国全体に影響を及ぼした。

党争と換局

粛宗の治世中、政治的な安定は存在せず、特に仁顕王后が子供を産まなかったため、禧嬪張氏の子が王世子に選ばれる問題が生じ、両派の対立が一層深刻化した。これが引き金となり、1689年の己巳換局では仁顕王后が廃位され、禧嬪張氏が新たな王妃となるが、南人政権も長続きせず、1694年には甲戌換局が起こり再び政局が変動した。粛宗は仁顕王后を復位させたいとの思いから、南人を排除し西人を政権に就けた。

経済と統治

粛宗はまた、政権を安定させるために三度の「換局」を行い、これにより王権を強化し、朋党の力を弱めた。彼は大同法を拡大し、民生の安定と経済発展を促進する様々な政策を実施した。商業の発展を重視し、常平通宝の発行なども行った。彼の治世は長期的には李氏朝鮮の振興に寄与した。

文化と外交

後に「良き時代」として語られた粛宗の治世だが、平和な面だけでなく1695年から1699年にかけての大飢饉など、困難な時期も存在した。清との国境問題では李善溥による白頭山での定界碑の設置や、日本との交流を進めるために通信使を派遣し、竹島への立入り禁止を確約させるなどの外交的努力も見られた。

最後の年

粛宗は1720年に60歳で亡くなり、46年間の治世を全うした。彼の死後、王権制度の弱体化が進み、以後、彼のように強い権力を持つ王が登場することはなかった。粛宗の兆候は一部の歴史資料には清から与えられた「僖順王」の名が記録されているが、彼はこの称号を恥辱として受け入れず、その名称は公式な記録にはほとんど使用されなかった。

家族

粛宗の家族構成には、彼の父母や妻、子供たちが含まれ、彼の血統を知る上で興味深い側面が多い。特に、後宮に多くの女性がいたことは、彼の王宮内での彼自身の複雑な人間関係を物語っている。粛宗の治世は、政局だけでなく、人間関係の複雑さからもそのスタイルが透けて見える時代であった。

作品での描写

彼の時代は多くの創作物に影響を与え、映画やテレビドラマで取り上げられる機会も多い。これにより、粛宗の名は広く知られ、彼の物語は後世の人々にも語り継がれている。

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