紀元前188年

紀元前188年は、ローマ暦において、マルクス・ウァレリウス・メッサッラとガイウス・リウィウス・サリナトルが執政官を務めた年です。この年は、ローマ建国紀元566年にあたります。

各地域の紀年法

干支：癸丑（みずのとうし）
日本：孝元天皇27年、皇紀473年
中国：前漢・恵帝7年
朝鮮：檀紀2146年
仏滅紀元：357年
ユダヤ暦：3573年 - 3574年

この年に起こった主な出来事

ギリシア：アカイア同盟の指導者フィロポイメンは、軍を率いてラコニア地方に侵攻し、スパルタ周辺の壁を破壊しました。その後、スパルタの亡命者に市民権を回復させ、スパルタの法律を廃止し、アカイア同盟の法を導入しました。これにより、スパルタの勢力は完全に消滅し、アカイア同盟がペロポネソス半島全域を支配下に置きました。
共和政ローマ：
執政官サリナトルはガリア地方を担当し、フォルム・リウィイ（現在のフォルリ）を建設しました。
護民官のプレブス民会決議により、アルピヌム、フンディ、フォルミアエにローマ市民権が与えられました。
前執政官マルクス・フルウィウス・ノビリオルがアカイア同盟とスパルタの問題に介入しました。
前執政官グナエウス・マンリウス・ウルソが10人の使節団と共に、セレウコス朝のアンティオコス3世との和平交渉をまとめ、帰国しました。
アパメイアの和約が締結され、ローマはアンティオコス3世に対し、トロス山脈以東のギリシアと小アジアの領土を放棄させ、12年間にわたり15,000タレントの賠償金を支払わせました。さらに、カルタゴの将軍ハンニバルを降伏させました。この結果、セレウコス朝はシリア、メソポタミア、西イランの一部のみを領有することになり、ローマは東地中海の覇権を握りました。
小アジア：
ハンニバルはクレタ島を経て、ローマの同盟国ペルガモン王国のエウメネス2世と対立していたビチュニアのプルシアス1世の元に逃亡しました。
アパメイアの和約により、エウメネス2世はフリギア、リディア、リュキア、ピシディア、パンフィリアをローマの同盟国から獲得しました。ローマはアナトリアの領有を望んでいませんでしたが、将来的なセレウコス朝の拡大に備え、親ローマで強力な緩衝地帯を維持しようとしました。
中国：前漢では恵帝が死去し、太后呂雉が丞相陳平の助言を受け、呂産ら自身の血縁者である呂氏一族を各地に封じました。

誕生

景帝：前漢の第6代皇帝（紀元前141年没）

死去

恵帝：前漢の第2代皇帝（紀元前210年生）
クィントゥス・ミヌキウス・テルムス：紀元前193年の執政官

この年は、各地域で政治的な変動や勢力図の変化が起こり、特にローマが東地中海での影響力を強めた重要な年となりました。

参考文献

T. R. S. Broughton (1951). The Magistrates of the Roman Republic Vol.1. American Philological Association

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